集英社ゲームズの新作アドベンチャー『UN:Me』の発売時期が、2026年から2027年へ変更された。あわせて主人公役の声優が花守ゆみりさんに決定したことも発表されている。対応機種はNintendo Switch 2、PlayStation 5、Steamだ。
延期の理由がはっきり示されているのがこのタイトルらしい。少女の中に宿る4つの魂それぞれの個性を、対話中の細かな動きや表情の変化で伝えたい——そのためにモーションキャプチャーを実施する、というのが公式の説明だ。つまり削るのではなく足すための1年である。
そして花守ゆみりさんは、4つの魂すべてを一人で演じ分ける。声色を変えて別人にするのではなく、あくまで「ひとつの身体から出ている4つの声」として成立させるアプローチだという。これを聞いた時点で、延期の意味がだいたい分かってしまった。
集英社ゲームズは尖った企画を出してくるレーベルだが、今回のはその中でも気持ち悪さの方向がはっきりしている。褒め言葉として書いている。
『UN:Me』はなぜ2027年に延期された?
当初は2026年発売予定だったが、クオリティアップのため2027年へ変更された。公式はその理由を具体的に説明している。
主に対話中の細やかな動きや表情の変化によって、少女の中に宿る4つの魂の個性を感じ取り、感情移入できるようにするため、モーションキャプチャーの実施など
引用元:ファミ通.com
延期理由として、これはかなり誠実な部類だ。「諸般の事情により」で済ませず、何を足すために伸ばすのかを名指ししている。しかも足す対象が演出の枝葉ではなく、本作の中核である「対話」そのものだ。
『UN:Me』は少女の内側にいる4つの魂と会話し続けるゲームである。その会話が説得力を持たなければ企画が丸ごと成立しない。モーションキャプチャーで表情と身体の揺れを入れるという判断は、後回しにできない種類の投資だろう。
とはいえ、待つ側にとって1年は1年だ。2026年内に遊べると思っていた人には素直に痛い。発売時期も「2027年」とだけ示されており、上半期か下半期かも現時点では分からない。
主人公役は誰?花守ゆみりが4つの魂をどう演じるのか
主人公である少女の声を担当するのは花守ゆみりさんだ。少女の中に宿る4つの魂も、すべて花守さんが演じている。
重要なのはその演じ分けの方針だ。単純に声色を4パターン用意して別キャラクターにするのではなく、あくまで「ひとつの身体から発せられている4つの声」として表現しているという。人格は違うのに出口は同じ、という気持ち悪さを音で作りにいっている。
「剥がされた」という言葉の意味
花守さんはファミ通のインタビューで、収録をすべて終えたあとの感覚を「何かを”剥がされた”ような感覚だった」と語っている。一人で4つの人格を同じ身体から出し続ける作業がどれだけ削られる仕事だったか、この一言でだいたい伝わってくる。
今回の発表では、まだ明かされていなかった「魂II」と「魂IV」の詳細情報も公開された。4つの魂の輪郭が揃ったことで、ようやくこのゲームが何を選ばせようとしているのかが見えてきた形だ。
『UN:Me』はどんなゲーム?ソウル・トリアージ アドベンチャーとは
『UN:Me』は「ソウル・トリアージ アドベンチャー」と銘打たれたアドベンチャーゲームだ。美しくも不気味な世界を舞台に、少女の中に宿る4つの魂との「対話」を通して、襲い掛かるトラウマから逃げながら「本当の身体の持ち主」を探す。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | UN:Me |
| ジャンル | ソウル・トリアージ アドベンチャー |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2 / PlayStation 5 / Steam |
| 発売時期 | 2027年予定(2026年から変更) |
| 発売 | 集英社ゲームズ |
| 企画・開発 | ヒストリア |
| 企画・シナリオ | 山中拓也 |
| 主人公役 | 花守ゆみり(4つの魂すべてを担当) |
「トリアージ」という言葉の選び方が容赦ない。医療現場で救命の優先順位を決める行為を指す用語だ。4つの魂のうち誰を本当の持ち主と認めるのか——つまり誰を切り捨てるのか——をプレイヤーが決める構造だと読める。
気になる点も挙げておく。対話中心のアドベンチャーである以上、遊びとしての手触りはテキストとボイスの質にほぼ全振りされる。ゲーム的な駆け引きを求める層には物足りない可能性がある。逆に、選択の重さで殴られたい人にはこれ以上ない題材だ。

TGS2026で『UN:Me』の体験版は遊べる?
東京ゲームショウ2026の集英社ゲームズブース(05-C10)で、花守ゆみりさんのボイスが入った体験版が試遊出展されている。
延期を発表したその場で、声入りの実物を触らせる。これは強い。「クオリティアップのため」という説明を言葉だけで終わらせず、現時点の完成度を来場者に確かめさせにいっているわけだ。
加えて、花守ゆみりさんのサインが手に入るキャンペーンも実施されている。ゲーム情報とあわせて展開されているので、幕張に行く予定があるなら集英社ゲームズブースは押さえておきたい。
……わたしは池袋には週1で行くくせに、幕張までは腰が重いタイプだ。でもこれは行く。一人で4人ぶん喋る声を、ヘッドホン越しに浴びにいく価値がある。
『UN:Me』の延期は歓迎すべきか?
結論として、この延期は歓迎していい。伸ばした1年の使い道が、本作の中核である「対話」の説得力に直結しているからだ。
要点を再掲する。『UN:Me』は発売時期を2026年から2027年へ変更。理由は対話中の細やかな動きや表情の変化を作り込むためのモーションキャプチャー実施など。対応機種はNintendo Switch 2/PlayStation 5/Steam。発売は集英社ゲームズ、企画・開発はヒストリア、企画・シナリオは山中拓也氏。主人公役は花守ゆみりさんで、4つの魂すべてを一人で演じ分ける。東京ゲームショウ2026の集英社ゲームズブース(05-C10)ではボイス入り体験版が試遊可能だ。
延期理由を「モーションキャプチャーを入れて対話の解像度を上げる」と名指しできる企画は強い。対話が成立しなければ企画ごと崩れるタイプの作品で、そこに最後の1年を突っ込む判断は正しい。花守ゆみりさん一人に4つの魂を背負わせる設計も、ひとつの身体から4つの声が出る不気味さを作る手段として理にかなっている。一方で、遊びの手触りがテキストとボイスに依存する構造は変わらず、ゲーム的な駆け引きを期待する層とは噛み合わないだろう。
「本当の身体の持ち主」を選ぶのはプレイヤーだ。2027年、その決断の重さを確かめにいこう。
あわせて読みたい
小田のっこ













コメントを残す