昭和トレvs平成トレ——同じトレフリップなのに、なぜ見た目がこんなに違うのか

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「昭和トレ」「平成トレ」——この言葉を聞いたとき、ピンとくる人とこない人で、トレフリップへの向き合い方がおおよそわかる。

同じ「トレフリップ(360フリップ)」というトリックなのに、弾き方ひとつで見た目がまるで違う。後ろ足でグワッとしゃくるダイナミックな弾き方と、足首のスナップだけで伸びやかに蹴り出すクリーンな弾き方——この2つのスタイルに「昭和」「平成」という名前がついた。

福岡のプロスケーター・武石レオ氏がYouTubeで「昭和トレを平成トレに改造する」動画を公開し、日本のスケートコミュニティで大きな反響を呼んだ。この2スタイルの違いを、技術的に、そして文化的に掘り下げてみる。

📌 大前提:「昭和」「平成」は時代の話ではない
名前に昭和・平成とついているが、時代と必ずしも一致しない。昭和の時代にも平成トレスタイルのスケーターはいたし、平成・令和でも昭和トレスタイルで滑るスケーターはいる。これはあくまでも「弾き方のスタイル分類」の話だ。

🛹 昭和トレの定義——しゃくり・前足バシッ・後ろ足ガッツリ畳む

武石レオ氏の説明によれば、昭和トレには次の3つの特徴がある。

①後ろ足をベタ足でしゃくる
テールを地面に叩きつけるとき、後ろ足全体(ベタ足)を使ってグワッとしゃくる動きをする。ボールドでダイナミックな蹴り出しが昭和トレの象徴だ。

②前足をバシッと大きく出す
前足がボードの回転をアシストするために大きく動く。キックフリップのような強い前足の動きが入る。

③後ろ足をガッツリ畳む
蹴り出した後、後ろ足がしっかり体に引き寄せられる(畳まれる)。見た目にダイナミックで、着地は後ろ足を大きく戻す形になる。

💬 昭和トレのイメージ
後ろ足がボードをえぐるように蹴り込み、前足もしっかり動いてボードをコントロールする。エネルギーとパワーで回転させるスタイル。見た目の豪快さ・ダイナミックさが特徴で、「弾いている感」が強く伝わる。

⚡ 平成トレの定義——前足ほぼ不要・膝曲げから伸ばし・足首スナップ

これに対して平成トレのスタイルは、昭和トレとはほぼ正反対のアプローチだ。

①前足はほとんど使わない
最大のポイントがここだ。平成トレでは前足はほぼ添えるだけで、回転の主役は後ろ足のスナップ。「前足で蹴ってフリップさせる」という昭和的発想が根本から違う。

②膝を曲げた状態でジャンプして、打ち出しを伸ばす
テールを弾くとき、膝が曲がった低い体勢から入り、そこから足を伸ばしながら蹴り出す。この「伸ばす」動作が平成トレの核心で、ボードに伸びやかな軌道を与える。

③足首のスナップで弾いて伸ばす
しゃくり方は昭和トレと同じ方向(外向きにスクープする)だが、平成トレでは足首を立てた状態からスナップで弾いて「伸ばす」。後ろ足でえぐるのではなく、足首で軽く打ち出すイメージだ。

📌 昭和トレと平成トレの根本的な違い
昭和トレは「後ろ足でしゃくり・前足で蹴って回転させる」両足操作型。平成トレは「足首のスナップで後ろ足だけ弾いて打ち出す」後ろ足主体型。同じトレフリップでも、ボードへの伝え方がまったく異なる。

📐 2スタイルを並べて比較する

要素 昭和トレ 平成トレ
後ろ足の使い方 ベタ足でしゃくる 足首スナップで伸ばして弾く
前足の役割 バシッと大きく動かす ほとんど使わない
ジャンプの形 力強く蹴り込む 膝曲げから伸ばして打ち出す
後ろ足の着地 ガッツリ畳んで戻す 伸ばしてから乗せる(後から乗る)
見た目の印象 豪快・ダイナミック・野性的 クリーン・伸びやか・スタイリッシュ
ボードの軌道 力で回転させる感じ 自然に回転して上がってくる感じ

🎨 代表的なスケーターで見る2スタイル

平成トレの代名詞:Stefan Janoski(ステファン・ヤノスキー)

平成トレのスタイルを広く普及させたスケーターとして名前が挙がるのがステファン・ヤノスキーだ。Nike SBのシグネチャーモデル「Janoski」でも知られる彼のトレフリップは、前足の動きが極めて少なく、後ろ足のスナップだけでボードが滑らかに回転する。「なぜそんなに自然に見えるのか」という感想を引き出す典型的な平成トレスタイルだ。

YouTube で見る:Stefan Janoski – 360 Flip


後から乗せる平成トレ:Gustavo Ribeiro(グスタブ・リベイロ)

Primitiveのグスタブ・リベイロのトレフリップは、後ろ足の動きが特徴的だ。蹴り出してから後ろ足を後から乗せるような動き——ボードが回転し終わるのをほぼ待ってから着地するイメージで、着地の余裕感がずば抜けている。後ろ足を「畳んで引き寄せる」昭和的動作とは真逆の、伸ばして待つ平成スタイルだ。

YouTube で見る:Gustavo Ribeiro – 360 Flip


昭和トレのダイナミズム:Josh Kalis(ジョシュ・カリス)

フィラデルフィアのラブパークを拠点に活躍したジョシュ・カリスのトレフリップは、昭和トレ的なパワーとダイナミズムの代表例だ。後ろ足でテールをしっかり蹴り込む豪快なポップ、前足もしっかり機能するフォーム——テクニカルというよりボールドな印象を与える弾き方は、それはそれで独自の魅力を持つ。

YouTube で見る:Josh Kalis – 360 Flip (Love Park)

🎬 武石レオ「昭和トレを平成トレに改造する」

この2スタイルの違いをわかりやすく解説・実演しているのが、福岡のプロスケーター武石レオ氏のYouTube動画だ。自身の「昭和トレ」を意識的に「平成トレ」に改造していく過程を丁寧に説明しており、技術的な変更点が具体的に理解できる。

特に「後ろ足のしゃくり方の方向は同じだが、ベタ足でえぐるのか、足首を立てたスナップで伸ばすのかが全く違う」という解説は、2スタイルの核心を突いている。

YouTube で見る:武石レオ – 昭和トレを平成トレに改造します【トレフリップ】

✅ スポットギークス的まとめ

「昭和トレ」「平成トレ」は、トレフリップというひとつのトリックの中に存在する2つの哲学だ。昭和トレは全身でボードを操りに行くパワー型、平成トレは後ろ足のスナップと体の伸びでボードを自然に回転させるナチュラル型。どちらが「正しい」かは関係なく、自分がどちらの美学でトレフリップと向き合うかという話だ。

「昭和トレをやめて平成トレにしたい」と思っているスケーターは、武石レオ氏の動画を参考に「前足を抑えて後ろ足の足首スナップと伸ばしに集中する」ところから始めてみるといい。同じ360フリップが、まるで別のトリックのように見え始めるはずだ。

まず見るべき映像 3選

  • 🥇 武石レオ – 昭和トレを平成トレに改造:2スタイルの技術的違いが最もわかりやすい
  • 🥇 Stefan Janoski – 360 Flip:平成トレスタイルの普及に貢献した代表映像
  • 🥇 Gustavo Ribeiro – 360 Flip:後から乗る平成トレの極致
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