2026年6月25日、ゲーム業界に衝撃が走った。SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)スタジオビジネスグループCEOのHermen Hulst氏が社内メールで発表した内容は、率直に言って「Bungieの事実上の解体」に等しい内容だった。Destinyチームの大半とMarathonチームの一部が対象となる大規模人員削減で、Washington州のWARN申請で判明した削減人数は少なくとも292名。一部報道では400名(従業員の約半数)という数字も流れている。
タイミングが残酷だ。Destiny 2の最終コンテンツアップデート「Monument of Triumph」が配信されたのは6月9日——今回の発表まで、わずか16日しかなかった。長年Destinyシリーズを支えてきた開発者たちが、最後の仕事を終えてすぐにレイオフ通知を受け取ったことになる。
さらにJustin Trumanスタジオヘッドも退任、SonyはBungie関連で5億6500万ドル(約875億円)の評価損をすでに計上済みだ。この記事では今回の大規模リストラの全貌と、今後のBungieの行方を詳しく整理する。
Bungieに何が起きたのか?——Destiny 2「期待を下回る」判断から大量解雇まで
事態を理解するには、まずDestiny 2の近年の状況を振り返る必要がある。Hulst氏のメールには「Destiny 2のパフォーマンスはここ数年、期待を下回り続けた」と明記されている。プレイヤー数の減少、ライブサービスとしての収益の伸び悩み——かつてはFPS・ライブサービスゲームの代名詞だったDestinyが、近年は苦しい状況に置かれていたことは数字にも表れていた。
「我々はBungieの経営陣とともに数ヶ月にわたり、長期的な方向性・開発の優先事項・リソースの必要性・より広いポートフォリオ戦略におけるBungieの役割について検討を重ねた。複数の代替案を検討した末に、スタジオのリソースを現在の優先事項と長期目標に沿わせるため、今回の決定に至った」
引用元:Sony Interactive Entertainment 公式ブログ(Hermen Hulst氏コメント)
Hulst氏の言葉を読むと、これは衝動的な判断ではなく「数ヶ月かけた結論」だとわかる。SonyがBungieを36億ドルで買収したのは2022年——その際、最大の目的はライブサービスゲームのノウハウ獲得とされていた。わずか4年で主力タイトルの開発チームを大規模に解体するという結末は、業界の誰も予想していなかっただろう。
削減人数は292名以上——「Destinyチームの大半」は具体的に何人か
公式発表では具体的な削減人数は明かされていない。しかしWashington州に提出されたWARN法の申請書類から、少なくとも292名がBellevue本社から解雇されることが判明。別の報道では400名が影響を受け、これはBungie従業員の「約半数」に相当するとも伝えられている。
| 削減対象 | 削減状況 | 今後の扱い |
|---|---|---|
| Destinyチーム | 大半が削減対象 | 開発終了・チーム解散 |
| Marathonチーム | 一部削減 | 開発継続 |
| SIE内Bungie支援チーム | 削減対象 | 縮小・再編 |
| 削減総人数(確認分) | 292名以上(WARN申請) | 一部報道では400名(約半数) |
影響を受けた従業員に対しては転職支援プログラムの提供と、SIEおよびグローバルスタジオネットワーク内での機会提供が予定されているという。しかし業界全体でゲーム会社のリストラが相次ぐ2026年、300〜400名規模の人材が一度に市場に出てくる影響は計り知れない。
Marathonはどうなる?——Bungieに残された唯一の現役プロジェクト
救いがあるとすれば、『Marathon』の開発は継続される点だ。Hulst氏は「MarathonはSIEポートフォリオの重要な一角」と明言しており、シーズン1・2の基盤を踏まえた開発が続く。しかしMarathonチームの一部も今回の削減対象に含まれており、開発体制が万全とは言い難い。
Bungie内では新規プロジェクトの「インキュベーション」にも着手するとされているが、具体的な内容は一切明かされていない。Destinyの後継作なのか、まったく新しいIPなのか——現時点では不明だ。一部報道では「Destinyの後継プロジェクトは非常に初期段階にある」と伝えられているが、公式確認は取れていない(2026年6月26日時点)。
Justin Trumanスタジオヘッドも退任——Bungieの経営体制が大幅刷新
今回の大規模リストラと同時に、Justin Trumanスタジオヘッドが退任することも明らかになった。長年スタジオの中核を担ってきた人物の退任は、単なる「効率化のためのリストラ」ではなく、Bungieの経営方針そのものの転換を意味している。
2022年、36億ドルというゲーム業界史に残る巨額でBungieを買収したSony。その最大の目的は「ライブサービスゲームのノウハウと人材」の獲得だった。しかし今回の件を振り返ると、Destiny 2の低迷・Marathon開発の難航・5億6500万ドルの評価損——これだけの数字が重なれば、「Bungie買収は失敗だった」と市場が判断しても無理はない。
Destiny 3は作られるのか?——ファンの声とSonyの沈黙
Bungieの発表以来、Destinyコミュニティでは「#SaveDestiny」「#Destiny3」といったハッシュタグが拡散されている。10年以上にわたって積み上げられたキャラクター・ストーリー・世界観への愛着は、簡単に消えるものではない。Destiny 2の最終コンテンツ「Monument of Triumph」には多くのプレイヤーが集まり、最後の「光」を見届けたと報告されている。
しかしSonyはDestiny 3の開発について一切のコメントを出していない。Marathonのみが「次の一手」として残されている状態だ。12年間FPSライブサービスの世界をリードしてきたDestinyというブランドを、SonyとBungieが本当に「終わり」にするつもりなのか——ファンの問いに答えられる者は、今のところ誰もいない。
📌 現時点でわかっていること(2026年6月26日)
- Destiny 2の開発は終了(最終アップデート「Monument of Triumph」配信済み・6月9日)
- Destinyチームの大半が解雇——292名以上(WARN申請)、一部報道では400名(約半数)
- Justin Trumanスタジオヘッドが退任
- MarathonはSIEポートフォリオとして開発継続
- Destiny 3の開発は正式発表なし
- Sony、Bungie関連で5億6500万ドル(約875億円)の評価損を計上済み
まとめ——10年の「Destinyの時代」は終わった。次の賭けはMarathonにかかっている
2014年にDestinyが産声を上げてから12年。FPSとMMO的要素を融合したライブサービスゲームの先駆けとして業界に多大な影響を与えたBungieが、今まさに「Destiny後の時代」へと強制的に押し出された。
Destinyチームの大半が解雇され、スタジオヘッドも去り、Sonyは875億円の評価損を計上した。これだけの事実が重なれば、「Bungieの黄金時代は終わった」と言わざるを得ない。しかしMarathonという次の賭けはまだ残っている。DestinyなきBungieが、Marathon一本でゲーム業界の中心に返り咲けるのか——2026年後半の動向に、目を離せない。
SIEによるBungie大規模リストラは、ゲーム業界における「ライブサービス神話の終焉」を象徴する出来事だ。292名以上という規模、Destinyチームの全体的な解散、スタジオヘッドの退任——これはリストラではなく、ある時代の幕引きと見るべきだろう。Sonyが36億ドルかけて買い取ったライブサービスのDNAは、Marathon一本に集約された。その賭けに勝てるかどうかが、今後のBungieの命運を決める。
DestinyプレイヤーたちはMonument of Triumphとともに「さよなら」を言った。次の約束は、まだ誰からも与えられていない。
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小田のっこ














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