¥2,800という値札を見て「安いな」と思ったのは正直な感想だ。しかし『GRIME II』は、その価格から想像する「コンパクトなインディー」という先入観を、開始30分で完全に裏切ってくる。
開発はClover Bite、パブリッシャーはKwalee。前作『GRIME』(2021年)は「異形のビジュアルとソウルライクな硬派な難易度で、一部のメトロイドヴァニア好きにカルト的な人気を持つ問題作」だった。その続編が2026年3月31日、Steam・PS5・Xbox Series X|Sに向けてリリースされた。
発売から2週間、Steamレビューは1,028件で83%が好評の「非常に好評」を維持。MetacriticスコアはPC版81点・PS5版83点。日本語フル対応(インターフェイス・音声・字幕すべて)で、¥2,800のインディーとしては水準を大きく超えている。この記事では前作との違いも含め、正直な評価をお伝えする。
GRIME IIはどんなゲームか?「形を盗む」独自システムとシュルレアリスムの世界
GRIME IIは2Dのメトロイドヴァニアにソウルライクのエッセンスを加えた作品だ。舞台は石・岩・生体組織が混在した超現実的な世界。プレイヤーは「異形の手(触手)」を持つ存在として、芸術に憑かれた生命体たちが蠢くダンジョンを探索する。
吸収・モールドシステムとは
このゲームの核心は「敵を吸収してその形を奪う」メカニクスだ。敵が特定の攻撃を繰り出すタイミングに吸収行動を合わせると、ダメージを与えながらHPを回復できる。ソウルライク的なパリィに似た感覚で、「避けるだけ」ではなく「攻め続けることに意味がある」設計になっている。
吸収した敵から得た「モールド」は戦闘中に召喚できるサブウェポン的な役割を持つ。モールドの種類は多く、探索が進むほどビルドの選択肢が広がっていく。集めたモールドの組み合わせで戦い方がガラリと変わるのが最大の面白さだ。
ストーリー・世界観
世界観はひとことで言えば「見て感じる」タイプだ。岩が生きていて、岩が喋り、岩が戦う。シュルレアリスム的な表現を多用しており、グロテスクと美的の境界が曖昧な独特の美学がある。
前作より大幅にNPCとの対話が増え、ストーリーを積極的に掘り下げられる構造に変わった。「意味はわからないけど雰囲気にやられる」という体験が好きなプレイヤーには刺さるはずだ。マルチエンディング採用で、プレイの選択によって結末が変わる。
前作GRIMEとの違いは?3つの進化ポイント
前作をプレイ済みのユーザーが最も気になるのが「どう変わったか」だろう。大きく3つの点で進化している。
| 項目 | 前作 GRIME | GRIME II |
|---|---|---|
| 機動力 | 重め・窮屈感あり | テンポよく動けるよう大幅改善 |
| ビルドの自由度 | 制限されがち | 攻略スタイルの幅が大幅に拡大 |
| ストーリー | 言葉少なく直感的 | NPCとの対話で深く掘り下げ可能 |
前作の「硬派な重さ」が好きだったプレイヤーには「丸くなった」と感じる部分もあるかもしれない。しかし新規プレイヤーには確実に入りやすくなっており、間口を広げた正統進化と評価できる。
GRIME IIの良い点・気になる点
良い点
- 日本語フル対応:インターフェイス・音声・字幕すべて日本語。2026年のインディーとしても珍しい水準
- ¥2,800という圧倒的コスパ:ボリュームとクオリティを考えると、この価格は正直おかしい
- 唯一無二のビジュアル:他のどのゲームとも被らないアートスタイル。好きな人には「これしかない」という体験
- Steam実績40個搭載:やり込み勢にも嬉しい達成感のある設計
- マルチエンディング+ノンリニア設計:1周で終わらない探索の深さ
気になる点
- ビジュアルの好き嫌いが激しい:グロテスク・シュルレアリスム系のアートは明確に人を選ぶ。Steamページのスクショを見て「無理」と感じたなら素直に見送るべき
- 世界観への馴染みに時間がかかる:特に前作未プレイは独特の設定を理解するまでに戸惑いがある
- 吸収タイミングに慣れが必要:ソウルライク的なシビアさがあり、序盤は何度も死ぬことになる
GRIME IIの基本スペック
| タイトル | GRIME II |
| 開発元 | Clover Bite |
| パブリッシャー | Kwalee |
| 価格(Steam) | ¥2,800 |
| 発売日 | 2026年3月31日 |
| ジャンル | メトロイドヴァニア / アクションRPG / ソウルライク |
| 対応プラットフォーム | Steam(Windows)/ PS5 / Xbox Series X|S |
| 日本語対応 | インターフェイス・音声・字幕すべて対応 |
| Steamレビュー | 非常に好評(1,028件 / 83%好評) |
| Metacritic | 81点(PC)/ 83点(PS5) |
GRIME IIはこんな人におすすめ
向いている人と向いていない人が明確なゲームだ。以下に当てはまるなら、まずデモ版(Steam無料配信中)を試してほしい。
- メトロイドヴァニアをひとおりやり尽くして「新鮮なもの」を探している人
- ソウルライクが得意で「ちょっと難しい」くらいが好きな人
- ICO、Blasphemous、Hollowknightのような独自美学のゲームが好きな人
- ¥3,000以下で30時間以上遊べるゲームを探している人
逆に「明るくスッキリしたアクション」「ストーリーが明快なゲーム」「グロテスクが苦手」な人には向かない。デモ版は無料なので、まずそちらで相性を確かめるのが一番の近道だ。
まとめ|¥2,800でここまでやるか、GRIME IIの実力
GRIME IIは「変なゲームが好きな人」に全力でオススメできる一本だ。¥2,800という価格と「非常に好評83%」という評価は、インディーゲームとして見ても十分すぎる水準を示している。
前作をやっていない人でも問題なく入れる。日本語フル対応で言語の壁もない。ただし、ビジュアルだけは好き嫌いが出るので、無料デモ版でまず確かめてから購入を判断してほしい。デモで「あ、これ好きだ」と感じたなら、本編は間違いなく満足できる。
¥2,800でここまでやるか——それがGRIME IIへの正直な感想だ。「形を奪う」吸収システムはどこにもない体験で、メトロイドヴァニアを好き好んでやる層には刺さること間違いない。Steam評価83%・Metacritic 81〜83点は、インディーとして見ても高水準だ。
まずデモを無料で試してほしい。気に入ったら即購入でいい。¥2,800に後悔はしないはずだ。
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スニッカー北村










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