呪術廻戦が完結して、続きが読みたいと思っていた人に朗報だ。2025年秋から2026年春にかけて、週刊少年ジャンプで短期集中連載された『呪術廻戦≡(モジュロ)』が全3巻で完結した。舞台は「死滅回游」から68年後の2086年。宇宙船で飛来したシムリア星人と地球の呪術師が対峙する、新世代のJJKだ。
作画を担当するのは『暗号学園のいろは』の岩崎優次先生。緻密で情報量の多い描き込みが持ち味の作家が、芥見下々先生の世界観と組み合わさることで、近未来SFと呪術というこれまでにない融合が実現している。原作の雰囲気を残しながらも、全く新しい呪術廻戦がそこにある。
全3巻という凝縮されたボリュームだからこそ、1話あたりの密度は非常に高い。完結済みなので今すぐイッキ読みできるのも強みだ。呪術廻戦を読んだことがある人なら、まず手に取る価値がある続編だ。
呪術廻戦の本編に関する特集記事はこちらもチェックしてほしい。
「呪術廻戦≡(モジュロ)」とはどんな作品?68年後の世界を描いた続編の全貌
| 原作 | 芥見下々 |
|---|---|
| 作画 | 岩崎優次 |
| 掲載誌 | 週刊少年ジャンプ(ジャンプコミックスDIGITAL) |
| 連載期間 | 2025年41号〜2026年15号(短期集中連載) |
| 巻数 | 全3巻(完結) |
| 最終巻(3巻)価格 | 543円(税込) |
| 3巻発売日 | 2026年5月1日 |
本作の主人公は乙骨真剣(しんけん)と乙骨憂花(ゆうか)の兄妹。「死滅回游」から68年が経過した2086年、宇宙船で飛来した地球外生命体・シムリア星人が突如現れ、呪術師たちに接触を図る。5万人の難民を乗せた宇宙船、そしてシムリア星人との関係をめぐり、”対立か共存か”という問いが物語を貫く大きなテーマだ。
原作JJKと地続きの世界でありながら、宇宙的なスケールへと舞台を拡張したのは大きな挑戦だ。呪術師の活躍する近未来都市、新たな「領域展開」のビジュアル、そしてなじみのキャラクターの末裔たち——本編を読んでいたファンにとっては、随所に嬉しい仕掛けが散りばめられている。
「『呪術廻戦』のスピンオフ漫画というだけあり、本編との繋がりが多く、『呪術廻戦』を読んでいる方はもちろん楽しめると思います。今回の舞台が呪霊ではなく、呪詛師や宇宙人などと、『呪術廻戦』とまた別の物語になっているので初めての方にもおすすめできますが、できれば本編の『呪術廻戦』を読んでから『呪術廻戦≡』を読むとなお一層楽しめると思います。」
(1Aさん)引用元:めちゃコミック
このレビューが本作の入口として正直なガイドを示してくれている。本編既読者は既存キャラクターの面影を楽しめるし、未読者でもSFアクション漫画として成立している。ただ、1〜2話の情報密度を考えると、本編から読んだ方が感情移入の深さが違う。
岩崎優次×芥見下々——精密作画とSF呪術世界が奇跡的にマッチした理由
本作最大の見どころのひとつが、岩崎優次先生の作画だ。『暗号学園のいろは』で見せた緻密なデッサンと情報量の多いコマ割りが、近未来の呪術世界と組み合わさることで、独自のビジュアル言語が生まれている。宇宙船の内部構造、シムリア星人のデザイン、進化した呪術技術の表現——どれも原作とは異なる「計算された美しさ」がある。
芥見下々先生のラフでエネルギッシュな作画スタイルとは対照的に、岩崎先生はソリッドで構築的なアプローチを持つ。この違いが、「68年後の世界」という時代の隔絶感を視覚的に演出している。同じ呪術廻戦の世界でありながら、異なる質感を持つ漫画として成立しているのは、この作画チェンジが大きく機能しているからだ。
「『暗号学園のいろは』でも見せた、岩崎先生の非常に精密で情報量の多い作画が、呪術の世界観と奇跡的なマッチングを見せています。特に、SF的なガジェットや近未来の街並み、そして新時代の「領域展開」のビジュアルは、芥見先生のラフな熱量とはまた違う、ソリッドで計算し尽くされた美しさがあります」
(有馬春樹さん)引用元:めちゃコミック
「奇跡的なマッチング」という言葉に尽きる。呪術廻戦という作品のもつ「不気味さと美しさの混在」という特性が、岩崎先生の作画スタイルで新たに解釈されると、こうなるのかという驚きがある。スペックテーブルの数字ではなく、1ページ目を開いた瞬間の視覚的なインパクトで読者を引き込む力がある。
最終3巻の見どころ——短期連載ながら密度の高い完結を果たした理由
3巻で完結という短期集中連載のフォーマットを選んだのは、本作の強みでもある。1話あたりのテンポが良く、冗長な展開がない。3巻分の全話を通読すれば、世界の危機→主人公たちの葛藤→決戦→決着という流れをテンポよく追える。イッキ読みに適した構成だ。
最終3巻では、ルメルの信仰するカリヤンと呪霊の相似から始まる「ダブラと魔虚羅の激戦」、憂花を救おうとする真剣の戦い、そして虎杖悠仁の登場が大きなクライマックスを形成する。原作本編のファンが待ち望んだキャラクターが動く場面には、それ相応の感慨がある。
「呪術廻戦≡3巻は、これまで以上にキャラクター同士の関係性や心理描写が深く描かれていて、単なるスピンオフに留まらない読み応えがあった。原作の緊張感や世界観を残しつつも、少し違った角度からキャラの魅力が掘り下げられている点が面白い。」
(silverさん)引用元:ブックライブ
「単なるスピンオフに留まらない」という評価が本作の真価を語っている。3巻で終わる短さに不満を覚える読者もいるかもしれないが、その凝縮された密度は、ダラダラ続く長期連載にはない強みだ。呪術廻戦という作品のもつ熱量を、短く燃やし切った完結作として記憶に残るはずだ。
まとめ:「呪術廻戦≡(モジュロ)」は呪術ファン必読の完結作だ
全3巻完結、今すぐイッキ読み可能——これだけで読む理由として十分だ。本編の熱量を受け継ぎながら、岩崎優次先生の精密な作画が描き出す近未来の呪術世界は、「続編として正しい進化」を遂げている。68年後という設定のおかげで、本編キャラクターへの直接的な依存がなく、新しい主人公たちの物語として独立して楽しめる。
呪術廻戦本編を読んだことがある人なら、世界のあの後を見届ける義務がある。未読の人でも、近未来SFアクション漫画として純粋に楽しめる間口の広さが本作にはある。全3巻・543円×3冊という明確な出費で完結しているのも、今の時代に合った潔いフォーマットだ。
呪術廻戦という大看板を背負いながら、短期集中連載という制約の中で新しい物語を完結させた意欲作だ。岩崎優次先生の精密な作画が近未来呪術世界にフィットし、芥見下々先生の世界観を別の角度から照らしている。本編既読者には「あの後」を知る喜びを、未読者には近未来SFアクションとしての入口を提供できる稀有な作品だ。全3巻という手軽さも含め、呪術廻戦を好きな人が読んで損をする確率はほぼゼロだ。
68年後の呪術世界が動き出す。それを見届けない理由はない。
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スニッカー北村









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