ファミコンの『ウィザードリィII リルガミンの遺産』は、前作をクリアした人間から容赦なく武器を取り上げるゲームだ。育て上げたレベル13の侍も、ターボファイルで転送した瞬間にレベル1へ戻される。強さだけを頼りに来た冒険者は、入口で足をすくわれる。
そして本作最大の壁は、モンスターでも罠でもない。「性格(アライメント)」だ。善のパーティでは2階と4階にしか入れず、悪のパーティでは3階と5階にしか入れない。最深部の6階へ至るには、善と悪の両方が別々に潜り、それぞれが持ち帰った水晶を合成するしかない。1本のソフトで2つの冒険を並行させる——それがこのシナリオの構造だ。
この記事では、FC版『リルガミンの遺産』を最後まで走り切るために必要な情報を、座標つきでまとめた。前作『狂王の試練場』との違い、善・悪それぞれのルート、水晶の合成手順、そして最終階でル’ケブレスと交わす別れまで。1989年のソフトを2026年のいま遊ぶための入手手段も末尾に載せてある。
ちなみに筆者は、初回プレイで悪パーティの編成をサボって3階の入口で詰んだ。同じ轍を踏まないでほしい。
ウィザードリィII リルガミンの遺産とはどんなゲームか?「II」なのに原作は「III」
FC版『ウィザードリィII リルガミンの遺産』は、1989年2月21日にアスキーから発売された3Dダンジョン探索RPGだ。そしてこの「II」は、英語版のWizardry IIではない。
パッケージに刻まれた正式タイトルを見れば一目瞭然だ。FC版IIの箱には「WIZARDRY II LEGACY OF LLYLGAMYN THE THIRD SCENARIO」と印字されている。つまり中身は原作の第3シナリオ『Legacy of Llylgamyn』である。日本版はナンバリングを入れ替えて発売されたのだ。
この入れ替えが何を意味するか。英語版のWizardry II(The Knight of Diamonds=ダイヤモンドの騎士)は、FC版では「III」として後から出た。だから「ウィザードリィ2の攻略情報」を検索すると、まったく別のシナリオの記事が混ざってくる。攻略情報を探すときは、必ず「リルガミンの遺産」というサブタイトルで確認してほしい。ここを取り違えると、存在しない階段を探して何時間も溶かすことになる。
| 項目 | 内容 |
| タイトル | ウィザードリィII リルガミンの遺産 |
| 発売日 | 1989年2月21日 |
| メーカー | アスキー(開発:アスキー・ゲームスタジオ) |
| 原作 | WIZARDRY II LEGACY OF LLYLGAMYN THE THIRD SCENARIO(原作第3シナリオ) |
| 迷宮の規模 | 全6階層(各階 東西20×南北20マス) |
| 最終目標 | イアリシンの宝珠を持ち帰る |
| 外部機器 | ターボファイル対応(前作のキャラクター転送が可能) |
迷宮は全6階層。前作『狂王の試練場』の10階層と比べれば浅く見えるが、油断してはいけない。1本の道を10階まで掘り下げる前作に対し、本作は善と悪の2本の道を並行して進める構造になっている。実質的な探索量は決して少なくない。
前作のキャラは引き継げるのか?ターボファイルとレベル1リセットの罠
結論から言えば、引き継げるが、レベルは1に戻される。ターボファイル(ファミコン用の外部データ記憶装置)を使えば前作『狂王の試練場』のキャラクターを本作へ転送できるが、レベル1からの再スタートになる。
ここを勘違いしたまま始めると、序盤で確実に事故る。「レベル13の侍がいるから楽勝だろう」と踏んで潜ると、HPが二桁前半のまま最初の戦闘で溶ける。転送したキャラを使う場合も、新規作成のキャラを使う場合も、スタートラインはほぼ同じだと考えたほうがいい。
ではターボファイルを使う意味はどこにあるのか。ステータスと種族・職業を引き継げる点だ。前作でボーナスポイントを粘って作った高ステータスのキャラは、レベルこそ戻るがその素質は残る。育て直す手間はかかるが、育ち切ったときの上限が違う。ここは好みの分かれるところで、筆者は「愛着のあるキャラを連れて行きたい」という理由だけで転送した。実利より感傷である。
なお本作は前作と同じく、セーブデータの破損リスクが常にある。ロストは取り返しがつかない。実機で遊ぶなら電源の抜き差しに気をつけ、エミュレータや移植版で遊ぶならこまめにバックアップを取ること。ここは前作から何も変わっていない。
なぜ善・悪の2パーティが必要なのか?アライメント制限の仕組み
本作の攻略が前作と決定的に違うのは、キャラクターの性格によって入れる階が制限される点にある。この一点を理解しないまま潜ると、必ず行き止まりに突き当たる。
制限は次のようになっている。
| 性格 | 入れる階 | 役割 |
| 善 | 1F・2F・4F・6F | 大地の杖・空気の魔除け・悪の水晶を確保する |
| 悪 | 1F・3F・5F・6F | 金のメダリオン・聖水・炎の杖・善の水晶を確保する |
| 中立 | 全階 | どちらのパーティにも組み込める万能枠 |
ここで効いてくるのが中立キャラの価値だ。中立はすべての階に入れるため、善パーティにも悪パーティにも同じ顔ぶれを流用できる。前衛の戦士や盗賊を中立で固めておけば、育てるキャラの総数を減らせる。
逆に言えば、善と悪で分けなければならないのは魔術師と僧侶だけで足りる。中立の戦士3人+中立の盗賊1人を共通の骨格にして、そこへ善の魔術師・善の僧侶を乗せれば善パーティ、悪の魔術師・悪の僧侶を乗せれば悪パーティになる。この編成なら、育成対象は6人ではなく8人で済む。
スポットギークス編集部としては、この「中立で骨格を作る」編成を強く推したい。前作をやり込んだ人ほど善悪を厳格に分けたくなるが、本作の設計思想はむしろ逆で、中立をどれだけ活用できるかが周回効率を決める。
おすすめパーティ編成|善・悪で共有できる骨格を作る
| 枠 | 善パーティ | 悪パーティ |
| 前衛3枠 | 戦士(中立)×3 | 戦士(中立)×3 ※共用 |
| 前衛4枠目 | 盗賊(中立) | 盗賊(中立)※共用 |
| 後衛 | 魔術師(善)・僧侶(善) | 魔術師(悪)・僧侶(悪) |
盗賊を中立で作るのは必須級だ。宝箱の罠外しは全階で発生するので、善ルートにも悪ルートにも盗賊が要る。ここを善で作ってしまうと、悪ルート用にもう1人育てる羽目になる。
迷宮1F〜6F攻略チャート|善ルート・悪ルート完全ガイド
ここからは実際の攻略手順を座標つきで追う。表記は「東◯・北◯」で、迷宮は各階とも東西20×南北20マスだ。前作同様、魔術師の「デュマピック」で現在地を確認しながら進んでほしい。
全6階 早見表|どの階で何を手に入れるか
| 階 | 担当 | 主な目的 |
| 1F | 善・悪 共通 | 2Fまたは3Fへの分岐点。ここだけは誰でも入れる |
| 2F | 善 | 大地の杖・空気の魔除けを入手。4Fへの通路 |
| 3F | 悪 | 金のメダリオン・聖水を入手。5Fへの通路 |
| 4F | 善 | デルフ一行を倒して悪の水晶を入手 |
| 5F | 悪 | 炎の杖を入手。エンジェル一行を倒して善の水晶を入手 |
| 6F | 中立の水晶が必要 | ル’ケブレスと対面し、イアリシンの宝珠を得る |
この表を見れば、なぜ2パーティが必要かが一目でわかるはずだ。悪の水晶は善パーティにしか取れず、善の水晶は悪パーティにしか取れない。皮肉が効いている。善人が悪の結晶を、悪人が善の結晶を持ち帰る——このシナリオの主題そのものが、ゲームの構造に埋め込まれている。
善パーティのルート|1F→2F→4F→2F
善パーティは1階から東へ向かい、2階を経由して4階まで潜る。手順は次のとおりだ。
- 1F:東19・北13へ移動して2階へ上がる
- 2F:東0・北19から4階へ
- 4F:モンスターから「ビンづめの船」を入手する
- 4F:東7・北17でデルフ一行を倒し「悪の水晶」を入手
- 4F:東12・北13から2階へ戻る
- 2F:東2・北11に出る(4階からの帰還地点)
- 2F:東7・北1で「大地の杖」を入手
- 2F:東7・北11で大地の杖を使用して通過する
- 2F:東11・北19でポレを倒し「空気の魔除け」を入手
大地の杖はドレイン(レベル吸収)を無効化する効果を持つ。本作にはエナジードレインを使う敵が出るので、この杖を取るまでは深追いしないほうが安全だ。東7・北11の通過にも必要なので、取り逃すと先へ進めない。
デルフ一行との戦闘は本作前半の山場だ。相手は冒険者パーティなので、こちらと同じように呪文を撃ってくる。速攻で後衛を潰すのがウィザードリィの鉄則で、ここでもそれは変わらない。
悪パーティのルート|1F→3F→5F
悪パーティは1階の反対側から潜る。善パーティとは入口からして別ルートだ。
- 1F:東19・北1から3階へ
- 3F:東7・北7で段平と交換し「金のメダリオン」を入手
- 3F:東10・北19で金のメダリオンと交換して「聖水」を入手
- 3F:東0・北0で聖水を使用して通過する
- 3F:東0・北1から5階へ
- 5F:モンスターから「ビンづめの船」を入手する
- 5F:東4・北8で25,000G.P.を渡して通過する
- 5F:東4・北7で「炎の杖」を入手
- 5F:東12・北10でエンジェル一行を倒し「善の水晶」を入手
悪ルートで最も詰まりやすいのが5階の東4・北8だ。ここは25,000G.P.を要求される。金を持たずに来ると通れず、稼ぎに戻ることになる。3階を抜ける前に十分な資金を確保しておこう。金のメダリオンと聖水の交換は一本道なので、順番を間違えなければ迷うことはない。
なお善ルート・悪ルートの両方で「ビンづめの船」がモンスタードロップとして登場する。これは6階へ渡るために要る品なので、必ずどちらかで確保しておくこと。
中立の水晶の作り方|2つの水晶を1人に集める
ここが本作最大の仕掛けだ。善パーティが4階で取った「悪の水晶」と、悪パーティが5階で取った「善の水晶」——この2つを1人のキャラクターに持たせると「中立の水晶」ができる。
手順としては、街で片方のパーティから水晶を預け、もう片方のパーティのキャラに持たせればいい。善キャラでも悪キャラでも構わないが、両方の水晶を同時に所持している必要がある。この中立の水晶が、6階への鍵になる。
言い換えれば、善だけで進めても悪だけで進めてもクリアできない。本作は最初から「2周する」ことを前提に設計されている。ここを理解せずに片方だけ育てると、終盤で必ず手が止まる。序盤のうちから2パーティを並行して育てておくのが結果的に一番早い。
6階|ル’ケブレスとイアリシンの宝珠
中立の水晶を手にしたら、いよいよ最終階だ。6階の手順は3ステップに集約される。
- 東10・北4でル’ケブレスに中立の水晶を示して通過する
- 東17・北17で中立の水晶と引き換えに「イアリシンの宝珠」を入手する
- 東8・北3でル’ケブレスに別れを告げ、城へ帰還する
注目してほしいのは、最後が「戦闘」ではなく「別れを告げる」で終わる点だ。前作『狂王の試練場』がワードナとの殺し合いで幕を閉じたのに対し、本作の締めくくりは対話である。竜を倒して宝を奪うのではなく、竜から託される。ナンバリングは入れ替わっていても、シナリオとしての性格は前作とはっきり違う。
宝珠を持って城へ戻れば、リルガミンは救われる。長い2周分の冒険がここで一本に合流する瞬間は、素直に気持ちがいい。
重要アイテム一覧|どの階で誰が取るか
本作のアイテムは「取れる担当が決まっている」ものが多い。表で整理しておく。
| アイテム | 場所 | 担当・用途 |
| 大地の杖 | 2F 東7・北1 | 善/ドレイン無効化。2F東7・北11の通過にも必要 |
| 空気の魔除け | 2F 東11・北19(ポレ撃破) | 善/強制戦闘の報酬 |
| 悪の水晶 | 4F 東7・北17(デルフ一行撃破) | 善/中立の水晶の材料 |
| 金のメダリオン | 3F 東7・北7(段平と交換) | 悪/聖水との交換用 |
| 聖水 | 3F 東10・北19(メダリオンと交換) | 悪/3F東0・北0の通過に使用 |
| 炎の杖 | 5F 東4・北7 | 悪/25,000G.P.を払った先にある |
| 善の水晶 | 5F 東12・北10(エンジェル一行撃破) | 悪/中立の水晶の材料 |
| ビンづめの船 | 4F・5F(モンスタードロップ) | 善・悪どちらでも/6Fへ渡るために必要 |
| 中立の水晶 | 善・悪の水晶を1人に集める | 6F東10・北4の通過と、宝珠との交換に使用 |
| イアリシンの宝珠 | 6F 東17・北17 | 最終目標。持ち帰ればクリア |
攻略でつまずきやすい5つのポイント
ここまでの手順を踏めばクリアはできる。ただし、実際に遊ぶと決まって同じ場所で止まる。事前に知っておくと事故が減るポイントを挙げておく。
① 階段を上ると別の座標に出る
本作は階段の入口と出口の座標が対応していないことが多い。前作の感覚で「上ってきた階段を下りれば元の場所に戻る」と思っていると、まったく違う区画に放り出される。階段を使ったら必ずデュマピックで現在地を確認する癖をつけたい。善パーティが4階から2階へ戻ると東2・北11に出るのが典型例で、上ってきた東0・北19とは離れている。
② 25,000G.P.を持たずに5階へ行く
先述の5F東4・北8の関所だ。ここで足りないと引き返すしかない。悪パーティは3階を抜ける前に資金を貯めておくこと。宝箱を丁寧に開ける、装備を売る、といった地道な作業が効いてくる。
③ 片方のパーティだけ育ててしまう
最も多い詰まり方がこれだ。善パーティだけレベルを上げて4階まで進み、いざ中立の水晶を作ろうとして「悪パーティが1階も潜っていない」と気づく。2パーティは並行して育てる。片方が2階に行ったらもう片方も3階へ、というリズムを最初から作っておきたい。
④ 盗賊を善か悪で作ってしまう
罠外しは全階で必要になる。盗賊を善で作ると悪ルートで罠が開けられず、もう1人育てることになる。盗賊は中立一択だと思っていい。
⑤ 大地の杖を取る前にドレイン持ちと戦う
エナジードレインはレベルを奪う。取り返す手段がないので、食らった分だけ育成時間が消える。2F東7・北1の大地の杖はドレインを無効化するため、これを取ってから深部へ向かうのが安全だ。順番の問題なので、意識するだけで被害を防げる。
MAP攻略|F1〜F6 フロアマップ
ここからは実機のマロール画面から起こした全6階のフロアマップを載せる。各マップは東西20×南北20マスで、グレーの帯が壁、赤い破線が扉だ。扉のうち片側からしか通れないものは、通れる側に細い破線を寄せて描き分けている。マーカーにカーソルを合わせると階段の種類と座標が出る。
注意してほしいのは隠し扉の扱いだ。ウィザードリィの隠し扉は発見するまで壁と同じ見た目なので、マロール画面にも壁として描かれる。マップ上で通路が行き止まりに見えても、実際は隠し扉でつながっていることがある。行き詰まったら、そこは壁を調べる価値のある場所だと考えてほしい。
マップ記号の凡例
F1(1階)
上り階段:東19北13・東19北14・東7北6・東7北7/下り階段:東0北0
F1 MAP(横=東 0–19 / 縦=北 0–19)
F2(2階)
上り階段:東0北19・東10北8/下り階段:東19北0
F2 MAP(横=東 0–19 / 縦=北 0–19)
F3(3階)
上り階段:東0北1/下り階段:東2北2
F3 MAP(横=東 0–19 / 縦=北 0–19)
F4(4階)
上り階段:東19北14/下り階段:東10北2・東7北1
F4 MAP(横=東 0–19 / 縦=北 0–19)
F5(5階)
上り階段:東0北13/下り階段:東11北0・東18北0
F5 MAP(横=東 0–19 / 縦=北 0–19)
F6(6階)
下り階段:東14北0・東5北0
F6 MAP(横=東 0–19 / 縦=北 0–19)
ウィザードリィII リルガミンの遺産は現行機で遊べるか?プラットフォーム別完全ガイド
結論:2026年7月時点で、『リルガミンの遺産』を現行機(Switch/PS5/Steam)で正規に遊ぶ手段は存在しない。現行機で遊べるのはシリーズ第1作『狂王の試練場』のみだ。
この一点は、期待して探した人ほど落胆するところなので先に書いておく。以下、区分ごとに整理する。
① サブスクリプション・無料で遊べるタイトル
該当なし。Nintendo Switch Onlineのファミコンライブラリにも、PlayStation Plusのクラシックスカタログにも、2026年7月時点で『リルガミンの遺産』は収録されていない。
② 単体購入で遊べるタイトル
| タイトル | 対応機種 | 備考 |
| ウィザードリィ:狂王の試練場(3Dリマスター) | Switch/PS4/PS5/Xbox/Steam | 2024年5月23日リリース。第1作のみで、リルガミンの遺産は含まれない |
DIGITAL ECLIPSEが手がけたこのリマスターは、オリジナルのゲーム性を保ったままグラフィックとUIを現代化した良移植だ。ただし収録されているのは第1シナリオだけである。
③ リマスター・リメイク版で遊べるタイトル
『リルガミンの遺産』を含む移植版としては、過去に次の3種が出ている。いずれも現行機では動作せず、中古を探す必要がある。
| 移植版 | 機種 | 特徴 |
| ウィザードリィ リルガミンサーガ | PS/セガサターン/Windows | 第1〜3シナリオを収録。自動マッピング機能つき |
| ウィザードリィ ストーリー オブ リルガミン | スーパーファミコン | 第2〜3シナリオを収録 |
| ウィザードリィII リルガミンの遺産 | ゲームボーイカラー | 携帯機向けの移植 |
④ 現行機では入手困難なタイトル
FC版『ウィザードリィII リルガミンの遺産』そのものは、実機とカセットを用意する以外に遊ぶ方法がない。ターボファイルによるキャラクター転送まで再現したいなら、なおさら実機環境が要る。
ただし展望は明るい。2026年5月、Atariがウィザードリィ第1作から第5作までの権利を取得したと報じられた。『狂王の試練場』のリマスターが好評だったことを考えれば、続くシナリオの移植が動き出す可能性は十分にある。いま実機を買い集めるか、公式の移植を待つか——判断の分かれ目だろう。
とはいえ、待っているあいだにできることもある。第1作のリマスターは現行機で買えるので、ウィザードリィの作法に慣れておくにはうってつけだ。『リルガミンの遺産』の善悪2パーティ制も、基礎の戦闘と探索が身についていれば飲み込みは早い。
まとめ|リルガミンの遺産は「2つの正義」を歩かせるRPGだ
FC版『ウィザードリィII リルガミンの遺産』は、1989年2月21日にアスキーから発売されたシリーズ第2弾だ。ただし中身は原作の第3シナリオ『Legacy of Llylgamyn』で、日本版はナンバリングが入れ替わっている。攻略情報を探すときは必ずサブタイトルで確認してほしい。
攻略の核心は、繰り返しになるが善・悪の2パーティ制にある。善は1F・2F・4F・6F、悪は1F・3F・5F・6F、中立は全階。善パーティが4階の東7・北17で「悪の水晶」を、悪パーティが5階の東12・北10で「善の水晶」を取り、2つを1人に集めて「中立の水晶」を作る。これが6階への鍵になる。
最終階では東10・北4でル’ケブレスを通過し、東17・北17でイアリシンの宝珠と交換、東8・北3で竜に別れを告げて城へ帰る。戦って奪うのではなく、託されて終わる——前作とは明確に手触りの違う結末だ。
そして2026年7月時点、本作を現行機で遊ぶ正規の手段は無い。遊べるのは第1作『狂王の試練場』のリマスターだけである。ただしAtariが第1作から第5作までの権利を取得したことで、今後の展開には期待が持てる。
前作『狂王の試練場』が「深さ」のゲームだったとすれば、本作は「幅」のゲームだ。6階層と聞くと物足りなく感じるが、善と悪という2本の道を並行して歩かされるので、体感の探索量はむしろ増えている。中立キャラで骨格を組んで育成コストを抑えられるかどうかが、快適さの分かれ目になる。
竜を殺さずに終わるウィザードリィ。この一点だけでも、触れてみる価値のある一本だ。
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スニッカー北村












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