ホワイトハウスが、またやった。流石にクソすぎる。
2026年6月13日、米国公式X(旧Twitter)アカウントが『ペルソナ5』の総攻撃演出をトランプ大統領に置き換えた映像を投稿した。BGMにはアニメ「カウボービバップ」の楽曲「Tank!」が使われ、遊戯王・ドラゴンボールZの「It’s over 9000!」ミームまで混入——権利者への許諾は当然ゼロだ。
これは今回に始まった話じゃない。「NARUTO(ナルト)」「ポケットモンスター」「どうぶつの森」「遊戯王」「ドラゴンボール超」——2025年秋以降、ホワイトハウスとトランプ陣営が日本のIPを無断で政治利用したケースは両手で数えきれない。遊戯王アニメ公式が「許諾した事実はない」と正式声明を出すレベルの事態になっているのに、一向に止まらない。
日本政府も動いた。外務省が在京米国大使館を通じて抗議し、小野田紀美クールジャパン戦略担当相が外交ルートで複数回の通達を送った。それでも「ペルソナ5総攻撃withトランプ」が国家公式アカウントから投稿される——この問題の構造的な理由を整理する。
ホワイトハウスによる日本IP無断使用事例一覧——ペルソナ5からどうぶつの森まで
2025年秋以降に確認されている主な無断使用事例をまとめた。いずれも権利者への事前許諾なし、または「許諾した事実がない」と権利者側が明言しているケースだ。
| 投稿時期 | 無断使用コンテンツ | 投稿内容 |
|---|---|---|
| 2025年9月 | ポケットモンスター | 不法移民取締りアピール動画にピカチュウ映像を使用 |
| 2026年3月初旬 | 遊戯王、ドラゴンボール超 | 対イラン攻撃映像「JUSTICE THE AMERICAN WAY」に組み込む |
| 2026年3月 | どうぶつの森 | 「全米農業週間」祝賀画像として改変投稿 |
| 2026年6月6日 | NARUTO(ナルト) | トランプ本人がトゥルース・ソーシャルにうずまきナルト風動画を投稿 |
| 2026年6月12日 | ナルト風映像 | ホワイトハウス公式Xに投稿 |
| 2026年6月13日 | ペルソナ5 / 遊戯王 / ドラゴンボールZ / カウボービバップ「Tank!」 | ペルソナ5総攻撃演出にトランプを配置した動画をホワイトハウス公式Xに投稿 |
『ペルソナ5』のスタイリッシュな総攻撃演出にトランプを当てはめた最新映像は、ゲームファンにとって特にインパクトが大きかっただろう。BGMの「Tank!」まで無断使用しているあたり、「何でもアリ」という姿勢が透けて見える。
米国ホワイトハウスが『ペルソナ5』の総攻撃演出をトランプ大統領に置き換えた映像を投稿。相変わらず「ドラゴンボール」「遊戯王」からの無断利用も確認されている。
引用元:Game*Spark
「相変わらず」という表現が全てを物語っている。もはや一回きりの過ちではなく、慢性的・組織的な著作権軽視が続いているわけだ。
権利者はどう反応したか?遊戯王公式が声明、オンライン署名は2万筆に迫る
権利者側の反応で最も明確だったのは、遊戯王アニメ公式の声明だ。2026年3月11日、公式アカウントは「米国ホワイトハウスの公式Xアカウントにおいて、アニメ『遊☆戯☆王』シリーズの映像が、権利者の許諾なく使用されている投稿が確認された」と発表し、「当該知的財産の使用を許諾した事実がない」と明言した。
版権元がこれだけ明確な声明を出すのは異例だ。それでもホワイトハウスは投稿を削除せず、その後も同様の行為を繰り返した。「声明を出せば止まる」という前提が通用しない相手だということが証明されてしまった格好だ。
市民レベルでも動きが出ている。日本国内でオンライン署名活動が起動し、約2万筆を集めるに至った。署名の発信者はこう訴えている。
これらの作品は長年にわたり読者・視聴者に勇気や友情、努力の大切さを伝えてきました。ファンが懸念を抱いている。
引用元:AFPBB News
この言葉が刺さる。ナルトも、ペルソナも、遊戯王も——それぞれが持つ「物語としての重み」を、政治的プロパガンダのBGMとして消費されることへの怒りは正当だ。
なぜ日本のゲーム・アニメばかり狙われるのか?トランプ流「政治エンタメ」戦略の本質
トランプ大統領は「政治的エンターテイナー」だ。リアリティ番組「アプレンティス」出身であり、政治・軍事をエンタメ化する手法に長けている。日本のアニメ・ゲームコンテンツは、米国の若年層が日常的に接触する「バズりやすい素材」として格好のターゲットになっている。
もう一つの理由が、著作権への根本的な軽視だ。大統領選でもブルース・スプリングスティーンやテイラー・スウィフトなど著名アーティストの楽曲を無許可で使用してきたトランプ陣営にとって、著作権侵害は「訴えられるまでやる」という行動原理で動いているように見える。
日本IPが特に多い理由として、以下の3点が挙げられる。
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 米国での認知度が高い | ナルト・ドラゴンボール・ポケモンは米国若年層に広く浸透しており、拡散効果が高い |
| 権利者が米国内にいない | 日本企業が米国連邦裁判所で訴訟を起こすハードルは高く、即応が難しい |
| 「ミーム文化」との親和性 | 「It’s over 9000!」のようにアニメ発のミームはSNSで既に定着しており、政治コンテンツとして転用しやすい |
任天堂もアトラスも訴えない理由——地政学的リスクと米国市場の壁
「なぜ企業が訴えないのか」という声はゲームファンの間でも多い。だがこれは、権利者が黙認しているわけでも、能力がないわけでもない。米国市場に巨大な事業基盤を持つ日本企業が、現職大統領を相手取った著作権訴訟を起こすのは、ビジネスリスクが極めて大きい。
任天堂は海賊版・mod・リーク問題に対しては過去に積極的な法的措置を取ってきた企業だ。それでもホワイトハウスの無断使用には正式声明すら出していない——これは「能力がない」のではなく、「できない構造にある」ということだ。
トランプ政権が関税政策でも日本を揺さぶっている現状で、一私企業が単独で米国大統領と対峙する構図をとることは、米国市場全体のビジネスに影響を及ぼしかねない。権利者が沈黙を守らざるを得ないのは、著作権法の問題ではなく地政学の問題だ。
日本政府の対応は?外務省抗議・クールジャパン担当相通達の実態
日本政府も手をこまねいているわけではない。2026年4月17日の衆院外務委員会で問題が取り上げられ、外務省が在京米国大使館を通じて正式に抗議した。小野田紀美クールジャパン戦略担当相も外交ルート経由で「許諾を得ることが原則」と複数回にわたり通達している。
ただし、この「外交ルートでの申し入れ」がどれほど実効性を持つかは別問題だ。2026年6月13日時点で、ホワイトハウスのペルソナ5投稿は削除されておらず、政府の働きかけが機能しているとは言い難い状況が続いている。
クールジャパン戦略として日本のソフトパワーを国策で推進しようとする一方で、そのコンテンツが米国の政治宣伝に無断流用され続けるという矛盾——日本政府にとっても対応の難しい問題になっているのは間違いない。
まとめ|日本のゲーム・アニメIPは守られるのか——問題の構造と今後
ホワイトハウスによる日本IP無断使用は、2025年秋から2026年6月現在まで止まる気配がない。ペルソナ5・ナルト・遊戯王・ドラゴンボール・ポケモン・どうぶつの森——ジャンルも権利者もバラバラだが、標的にされる共通点は「米国で広く認知されているバズりやすい日本IPであること」だ。
遊戯王公式が声明を出しても止まらない。外務省が抗議しても止まらない。2万筆の署名活動も今のところ大きな変化をもたらしていない。権利者が米国市場を人質に取られた構造にある限り、この問題は法律論だけでは解決しない。
ゲームメディアとしてはっきり言う。著作権侵害は侵害だ。相手がどんな権力者であっても、「ペルソナ5の総攻撃演出」を無断で政治宣伝に使っていいルールは存在しない。遊戯王公式が「許諾した事実がない」と明言している以上、これは明白なIPの政治的搾取だ。日本政府・権利者・ゲームファンが連携して問題提起を続けることが、唯一の打開策だと考える。
「ゲームやアニメのキャラクターを好きに使っていい」——そんな前例をここで黙認するわけにはいかない。
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小田のっこ










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