ウィザードリィの歴史が動いた。Atariは2026年5月7日、「ウィザードリィ」シリーズ初期5作品(I〜V)のIPおよびゲーム権利を取得したと発表した。これらのタイトルは過去25年以上にわたって権利関係が複雑に絡み合い、開発者が正式にアクセスできない状態が続いていた。
1981年から1988年にかけてSir-Tech Softwareが発売したこれらの作品は、現代のRPGの原型を作ったと言っても過言ではない。「ダンジョンマスター視点の3D迷宮探索」「職業・種族のパーティー編成」「死亡したキャラクターの灰化」など、今もJRPGに息づくメカニクスの多くがここから始まった。
本記事では今回の権利取得の詳細と、今後の展開予定をまとめる。
Atariが取得したウィザードリィタイトルはどれ?
今回Atariが取得した権利の対象は以下の5作品だ:
- Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(1981年)
- Wizardry II: The Knight of Diamonds(1982年)
- Wizardry III: Legacy of Llylgamyn(1983年)
- Wizardry IV: The Return of Werdna(1987年)
- Wizardry V: Heart of the Maelstrom(1988年)
権利の範囲はゲーム本体・契約上の権利・関連IP(呪文・キャラクター・ロケーション・モンスター)を含む。さらに非公開の関連アセットも追加取得しているとされる。
DrecomとAtariの権利関係はどうなる?
ここで重要な区別がある。Drecom(ドリコム)はウィザードリィのトレードマーク自体とVI・VII・VIIIの権利を引き続き保有する。つまり「ウィザードリィ」というブランド名の使用許諾はDrecomが握っており、今回の新作・リマスター等でウィザードリィの名称を使う場合はDrecomとのライセンス契約が必要となる。
言い換えれば、AtariはI〜Vのゲームコンテンツの権利を持ち、Drecomはブランド名の権利を持つという二層構造だ。近年リリースされたリメイク版「Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord」(2024年)でのリメイク許諾もDrecomが担当していた背景がある。
今後の展開——リマスター・新作・映像化まで視野に
Atariは今回の取得を受け、長期にわたる複数の展開を計画している。公式発表では以下の方向性が示された:
- リマスター・コレクション作品の制作
- シリーズ新作ゲームの開発
- グッズ・カードゲーム・ボードゲーム・書籍・コミック
- テレビ・映画などの映像展開
25年以上「塩漬け」状態だったIPが一気に動き出す可能性がある。日本でも多くのRPG開発者がウィザードリィに多大な影響を受けており——例えば「ドラゴンクエスト」の堀井雄二氏も影響を公言している——日本市場での展開にも期待が高まる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得企業 | Atari |
| 対象タイトル | ウィザードリィ I〜V(1981〜1988年) |
| 権利内容 | ゲーム・キャラクター・呪文・ロケーション等のIP |
| Drecomの保有権利 | トレードマーク・VI〜VIII |
| 今後の計画 | リマスター・新作・映像化・グッズ展開 |
まとめ|ウィザードリィ I〜V権利をAtariが取得——25年越しのIP解放
「RPGの始祖」のIPが25年以上のブランクを経てAtariの手に渡ったことは、ゲーム史的に見ても大きな出来事だ。リマスター・新作・映像化と野心的な計画が並ぶが、AtariはRollercoaster TycoonやPong、Centipedeなどの復活に実績を持っており、期待感は本物だ。ただしDrecomとのトレードマーク関係が複雑なため、具体的な発表が出るまでは慎重に見守りたい。日本のRPGファン——特にドラクエ・FF世代——にとっては、かつての「本家」の動向として目が離せないニュースだろう。
25年分の眠りを覚ます一手が打たれた——次の発表が待ち遠しい。
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スニッカー北村










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