2026年3月、RS34の新作縦シュー『ラジルギスワッグ』がSteamに降臨。あの”電波少女”シズルが令和のPCシーンで暴れまわる——その背景には、ドリームキャストとNAOMI基板が育てた濃すぎる文化がある。
¥1,800のSteamゲームが、中古市場で3万円近くで取引されているドリームキャストのソフトと「同じシリーズ」だと言ったら、どう感じるだろうか。
「ラジルギ」というタイトルを知っている人なら、それが誰の話か即座にわかるはずだ。2005年にアーケードで産声を上げ、2006年にドリームキャストへ移植され、その後プレミア品として扱われるようになった電波系縦スクロールシューティング——その続編がいま、Steam上で誰でも手軽に遊べる価格で並んでいる。
開発スタジオは変わった。プラットフォームも変わった。でもラジルギが持つ「なんか変なポップさ」は変わっていない。NAOMI基板の時代から続いてきたこの系譜が、2026年にどんな形で届いているのか。改めてその全貌を整理する。
🎮 「ラジルギスワッグ」って何者?まず基本をおさえよう
RS34が手がける縦スクロールシューティング『Radirgy Swag(ラジルギスワッグ)』。Nintendo Switchには2019年にすでに登場していたが、2026年3月4日についにSteam版が配信された。価格は¥1,800(バンドル版なら¥2,800でお得)。
リリース直後のSteamレビューは93%「非常に好評」。これは伊達じゃなくて、Switch版でしっかり磨かれたゲームプレイがそのままPC上で動くんだから当然ともいえる。縦シューを触ったことがあるなら、まず買って後悔はしないはずだ。
本作の肝は「Abs-net(アブスネット)」システム。シールド発動中は敵弾を吸収しながら無敵状態を維持でき、そこからのカウンター攻撃が気持ちいい。剣での接近戦とシールドの使い分けで戦略に幅が出るし、オンラインリーダーボードもあるのでスコアアタッカーもがっつり楽しめる仕様になっている。
トゥーンレンダリングのグラフィックはシリーズお馴染みのスタイルで、アニメ調の平面感と電波っぽいポップさが同居している。「なんか変なゲームだな」と感じてもらえたら、それがラジルギの正しい第一印象だ。
📻 そもそも「ラジルギ」って何だったのか
ラジルギスワッグのルーツをたどると、2005年のアーケードゲーム『ラジルギ』にたどり着く。開発はMilestone。翌2006年1月にドリームキャスト版が発売され、シューティングファンの間で強烈な印象を残した作品だ。
タイトルの語源は「radio(ラジオ)+allergy(アレルギー)」。電波アレルギーを持つ少女・シズルが、病気の治療薬を探して戦うというのが基本的なストーリーだ。この設定が電波飛び交う弾幕シューティングの世界観と絶妙にハマっていて、ゲームとしての説得力をうまく作り出している。
ビジュアルでいうとセガの『ジェット・セット・ラジオ』を思い出す人も多いだろう。あのセルシェーディングに近い表現を縦スクロールシューティングに持ち込んだ時点で、「あ、これ普通じゃないな」と直感させる。2005年当時、縦シューでここまでアートにこだわるスタジオはそう多くなかった。
💿 DC版が3万円——なぜそこまで値がつくのか
- 平均落札価格:約15,861円
- 最低落札価格:約5,720円
- 最高落札価格:約29,000円
- 程度良好品の相場:15,000〜25,000円台
オークションやフリマアプリを見ると、DC版ラジルギは平均で約1万6千円、コンディション次第では3万円近くまで跳ね上がる。なぜここまで値がつくのか。
単純にレアだから、という理由だけじゃない。2006年というタイミング——ドリームキャストがすでにサービス終了に向かっていたあの時期——にリリースされた本作は、そもそも流通量が多くなかった。加えて「ドリームキャスト末期の縦シューカルチャー」を象徴するタイトルとして、コレクターと現役プレイヤーの両方から根強い需要がある。
だからこそSteam版¥1,800の破壊力は大きい。DC版を持っていない人が「当時の作品に触れる扉」として使えるし、DC版を知っている人は「これがあの価格で遊べるのか」と素直に驚くはずだ。
🔧 NAOMI基板——ドリームキャストの「業務用兄弟」を知っているか?
初代ラジルギのアーケード版が動いていたのはNAOMI(ナオミ)基板だ。正式名称は「New Arcade and Amusement Machine Operators Interface」——ちなみに名前の由来はスーパーモデルのナオミ・キャンベルだったりする。
NAOMIはドリームキャストとほぼ同じ設計思想で作られたアーケード基板で、家庭用機と業務用機が驚くほど近い構成になっている。とはいえそのままではなく、ちゃんと強化されている:
- GPUクロック:133MHz(ドリームキャストは100MHz。33%アップ)
- RAM:ドリームキャストの2倍(メインメモリ・VRAMともに)
- ポリゴン性能:毎秒830万
- JVS(JAMMA Video Standard)に業界初対応
この「DCとほぼ同じだけど強化版」という設計が、アーケードからドリームキャストへの移植コストを劇的に下げた。MilestoneやGreffといったシューティングスタジオが次々とDC版を出せたのも、このNAOMIあっての話だ。ラジルギのDC移植がほぼ完全な形で実現したのも同じ理由——ゲームの中身よりも基板設計の賢さに感謝すべき部分がある。
📜 Milestone → Cron → RS34——この系譜を知ると深みが違う
ラジルギスワッグを開発しているRS34は、元Milestoneのスタッフが設立したスタジオだ。Milestoneが活動を終えた後、スタッフは後継スタジオ「Cron(クロン)」を経て現在のRS34へ。ラジルギという作品が20年越しに現役でいられるのは、この人たちが離れなかったからに他ならない。
シリーズの歴史を整理しておくとこうなる:
| 年 | タイトル | 開発 | プラットフォーム |
|---|---|---|---|
| 2005 | ラジルギ | Milestone | NAOMI / DC |
| 2006 | ラジルギ ジェネリック | Milestone | GameCube |
| 2007 | ラジルギ プレシャス | Milestone | PS2 |
| 2019 | ラジルギスワッグ | RS34 | Switch |
| 2026 | ラジルギスワッグ | RS34 | Steam |
Switchから7年越しのSteam対応。この間もRS34は他のシューティングタイトルを出し続けており、「Milestoneの血統」はちゃんと現役だ。
⚡ Steam版、実際どうなの?チェックポイントまとめ
- ✅ レビュー93%超——7年間のSwitch実績がそのまま評価に直結
- ✅ Abs-netシステム——弾幕に突っ込んで吸収するスタイルは唯一無二
- ✅ オンラインリーダーボード——スコアアタックの相手には事欠かない
- ✅ ¥1,800——DC版の1/10以下。コスパの話をするなら圧倒的
- ✅ PC初登場——Steamユーザーにとっては完全に新作扱い
🔮 まとめ
「20年前のアーケードゲームの続編がSteamに出た」と書くと地味に聞こえるかもしれないが、実態はかなり熱い話だ。NAOMI基板で産声を上げ、ドリームキャストで育ち、今やプレミア品として扱われる一方でSteamには¥1,800で並んでいる——この振れ幅がラジルギというIPの面白さをそのまま表している。
縦シューが好きなら文句なしにオススメ。ジャンルに馴染みがなくても「変なゲームをやってみたい」という気分があれば十分入り口になれる作品だ。とりあえずSteamページを覗いてみてほしい。
RS34 / 縦スクロールシューティング / ¥1,800
2026年3月4日 Steam配信開始
あわせて読みたい






コメントを残す