任天堂が2026年11月5日に発表した2027年3月期第2四半期決算(2026年4月〜9月)は、売上高9,660億円(前年同期比12.1%減)、営業利益2,165億円(同49.1%増)の減収増益だった。Nintendo Switch 2の販売台数は649万台で、累計は2,635万台に達している。
ハードが減ってもソフトが伸びた。Switch 2向けソフトは2,449万本(同18.8%増)、Switch向けは6,573万本(同6.8%増)。スプラトゥーン レイダースが242万本、ファイアーエムブレム 万紫千紅が134万本、トモダチコレクション わくわく生活が881万本と、今期発売のタイトルが数字を作った。
もうひとつの柱がIP関連収入等だ。映画ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービーの効果で627億円(同87.9%増)。加えて米国IEEPA関税の還付を第1四半期に受けたことが、営業利益を押し上げた。通期予想は5月発表の数字から変更なし、中間配当は1株76円に決まった。
この記事では、4つの利益指標、ハードとソフトの本数、IPとデジタルの伸び、通期予想と配当を整理する。数字が多いので表でまとめた。ゲーム機が3割以上減って利益が5割増える決算、どう読むかはそこから。
まず損益から見ていく。
任天堂の上期決算はどうだった?売上12.1%減、営業利益49.1%増の減収増益
売上高9,660億円、営業利益2,165億円、経常利益3,006億円、親会社株主に帰属する中間純利益2,209億円。売上は減ったが利益は4指標すべてで増えた。
| 指標(2026年4月〜9月) | 金額 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,660億円 | 12.1%減 |
| 営業利益 | 2,165億円 | 49.1%増 |
| 経常利益 | 3,006億円 | 27.4%増 |
| 中間純利益 | 2,209億円 | 11.0%増 |
| 海外売上高比率 | 78.9%(7,624億円) | — |
減収増益の理由は決算短信にはっきり書いてある。
ハードウェア販売台数の減少に伴い売上高は前年同期比で減少しているものの、営業利益は、ソフトウェアの販売が堅調に推移し売上高に占める割合が上昇したことに加えて、売上原価として計上していた米国IEEPAに基づく関税の還付を当第1四半期に受けたことなどにより、2,165億円(前年同期比49.1%増)となりました。
引用元:任天堂 2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信
つまり理由は2つ。利益率の高いソフトの比率が上がったこと、そして関税の還付だ。還付額は4Gamerとgamebizの報道で約3億米ドルとされており、短信では「当第1四半期に受けた」とだけ書かれている。一時要因が含まれているので、49.1%増をそのまま実力と見るのは早い。経常利益には持分法による投資利益608億円と受取利息267億円も乗っている。
Switch 2は何台売れた?649万台で累計2,635万台、ソフトは2,449万本
Switch 2のハード販売台数は649万台で、前年同期比37.4%減。前年同期は2025年6月の発売直後にあたり、比較対象が立ち上がりの山だった。累計は2,635万台。Switchは127万台(同32.7%減)で、累計1億5,720万台だ。
ソフトはSwitch 2向けが2,449万本で18.8%増、Switch向けが6,573万本で6.8%増。Switch 2でSwitchのソフトが遊べるため、前の世代のタイトルが今も売れ続けている。
| タイトル(発売月) | 機種 | 販売本数 |
|---|---|---|
| トモダチコレクション わくわく生活(4月) | Switch | 881万本 |
| リズム天国 ミラクルスターズ(7月) | Switch | 289万本 |
| スプラトゥーン レイダース(7月) | Switch 2 | 242万本 |
| ファイアーエムブレム 万紫千紅(9月) | Switch 2 | 134万本 |
| Star Fox(6月) | Switch 2 | 117万本 |
| マリオカート ワールド(前期発売) | Switch 2 | 上期178万本、累計1,648万本 |
トモダチコレクションの881万本は、Switch向けとしては今期最大。Switch 2のキラーになるかと見られていたスプラトゥーン レイダースは242万本で、スプラトゥーン3の初動と比べると控えめだ。一方でマリオカート ワールドは累計1,648万本と、Switch 2の本体台数2,635万台に対して6割を超える装着率になっている。本体と一緒に買う定番の座は固い。
IP関連収入はなぜ伸びた?マリオ映画で627億円、デジタル売上は2,496億円
IP関連収入等の売上高は627億円で、前年同期比87.9%増。短信は理由を「『ザ・スーパーマリオギャラクシー・ムービー』を多くのお客様にご鑑賞いただいたことなど」と説明している。映画の興行収入や配信の内訳は決算資料に出ていない。
デジタル売上高は2,496億円で60.5%増。パッケージと併売しているダウンロード版の売上が増えたことが背景で、ソフト比率の上昇と合わせて利益率を押し上げた。ハードの台数が落ちても利益が増える構造は、この2つの数字で説明がつく。
ゲーム機の会社がゲーム機の販売減で増益になる。数字だけ見れば奇妙だが、映画とデジタルが柱になった今の任天堂では、この形が標準になりつつある。
通期の見通しは?予想据え置き、Switch 2は1,650万台、中間配当76円
2027年3月期の通期業績予想は、2026年5月8日に公表した数字から変更なし。売上高2兆500億円(前期比11.4%減)、営業利益3,700億円(同2.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,100億円(同26.9%減)。Switch 2本体の年間販売計画は1,650万台、Switch 2ソフトは6,000万本だ。
| 項目 | 通期予想(据え置き) | 上期実績と進捗 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆500億円 | 9,660億円(47.1%) |
| 営業利益 | 3,700億円 | 2,165億円(58.5%) |
| Switch 2本体 | 1,650万台 | 649万台(39.3%) |
| Switch 2ソフト | 6,000万本 | 2,449万本(40.8%) |
| 年間配当 | 1株162円(中間76円、期末86円) | 前期実績は219円 |
営業利益は上期で通期予想の58.5%を消化した。関税還付という一時要因を含むので、下期は上期ほどの利益率にはならない前提で据え置いたと読める。ハードは上期で39.3%の進捗。年末商戦と、10月に出たNintendo Switch 2 ゼルダの伝説 40周年 アニバーサリーエディション、11月のゼルダの伝説 時のオカリナ、1月のメトロイド ラヴェナスで残り1,000万台を積む計算だ。
配当は中間76円が決まり、年間162円の予想は変わらない。前期の219円からは減るが、これは純利益の減少予想に沿ったもので、配当方針(連結営業利益の40%か配当性向60%の高い方)に変更はない。
整理すると、上期の任天堂は「本体が減ってもソフトと映画とデジタルで稼ぐ」決算だった。下期は年末商戦のSwitch 2本体がどこまで伸びるか。1,650万台の計画に対して上期649万台という数字は、年末に1,000万台を売れると会社が見ている、ということでもある。
まとめ。任天堂の上期は営業利益2,165億円で49.1%増、Switch 2累計2,635万台
任天堂の2027年3月期第2四半期決算は、売上高9,660億円(12.1%減)、営業利益2,165億円(49.1%増)、経常利益3,006億円、中間純利益2,209億円。Switch 2は649万台で累計2,635万台、Switch 2ソフトは2,449万本。IP関連収入等はマリオ映画の効果で627億円(87.9%増)、デジタル売上高は2,496億円(60.5%増)。通期予想は売上高2兆500億円、営業利益3,700億円、Switch 2本体1,650万台で据え置き、中間配当は1株76円、年間162円の予想だ。
本体が37.4%減っても営業利益が49.1%増える。関税還付の一時要因を差し引いても、ソフト比率とデジタルと映画で稼ぐ体質になったのは数字で分かる。気になるのはSwitch 2の年間1,650万台に対する上期39.3%という進捗で、年末商戦に1,000万台を託す形だ。ゼルダ40周年の本体と時のオカリナ、1月のメトロイドが、その賭けの手札になる。
マリオカート ワールドの装着率6割超。本体を買った人は、ちゃんと遊んでいる。
アイキャッチの画像はNintendoの公式ページより。©Nintendo















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