『続ポートピア連続殺人事件:忘却の埋葬』の発売が2027年に決定した。対応機種はNintendo Switch/Nintendo Switch 2/PC(Steam)で、ダウンロード版とパッケージ版の両方が用意される。価格は現時点で未定だ。
原作・制作総監督を務めるのは堀井雄二。1983年に生まれ、1985年にファミコンへ移植された伝説のアドベンチャーゲーム『ポートピア連続殺人事件』のフルリメイクに、新ストーリーを大幅追加した完全新作という位置づけである。
そして最大の新要素が「5つの捜査ファイル」だ。探偵、新聞記者、女子高生——事件に関わる別々の人物の視点から、あの事件の裏に隠されていた事実が描かれる。つまり本作は、40年前に決着したはずの物語をもう一度掘り返すゲームだということになる。
この記事では、発売時期・対応機種・スタッフ布陣・新要素「5つの捜査ファイル」の中身、そしてTGS2026での試遊情報までを整理していく。情報はすべて2026年9月時点の公式発表に基づくものだ。
「犯人はヤス」という言葉だけが独り歩きしてきた作品に、令和の答えが用意される。順に見ていこう。
『続ポートピア連続殺人事件:忘却の埋葬』の発売日と対応機種は?
発売時期は2027年。月日はまだ発表されていない。対応機種と開発体制は以下の通りだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 続ポートピア連続殺人事件:忘却の埋葬 |
| 発売時期 | 2027年(予定) |
| 対応機種 | Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/PC(Steam) |
| 販売形態 | ダウンロード版/パッケージ版 |
| 価格 | 未定 |
| パブリッシャー | ジー・モード |
| 企画・制作 | ORION PROJECT |
| 開発 | room6/ゲームスタジオ |
| 対象年齢 | 「15歳以上」相当 |
注目したいのは、スクウェア・エニックスではなくジー・モードがパブリッシャーを務める点だ。堀井雄二作品というと反射的にスクエニを思い浮かべるが、本作は別の体制で動いている。ジー・モードは過去作の復刻・移植に長く取り組んできた会社であり、古い作品を現代に持ってくることに関しては実績がある。
また、開発に名を連ねる「ゲームスタジオ」は、かつてファミコン期に数多くのタイトルを手がけてきた老舗だ。当時を知る側と現代の開発チーム(room6)が組む座組みになっている。この人選を見ただけで、単なる懐古企画ではないことが伝わってくる。
すでにSteamのストアページも公開されており、ウィッシュリスト登録の受付が始まっている。発売日の告知を確実に受け取りたいなら、登録しておくのが手っ取り早い。
新要素「5つの捜査ファイル」とは?原作と何が違うのか
本作最大の新要素が「5つの捜査ファイル」だ。事件を別視点から描く、完全新規のストーリーが5本収録される。
公開情報によれば、プレイヤーが操作するのは主人公ひとりではない。探偵、新聞記者、女子高生など、事件に関わった別々の人物として捜査を進めることになる。同じ事件を、立場も情報量も違う人間の目で追い直す構造だ。
舞台は1980年代の神戸。金融会社社長の殺人事件を発端に、連続殺人事件の捜査が進んでいく——という導入は原作を踏襲している。そのうえで「ポートピア連続殺人事件の裏に隠された事実」が5つのファイルによって明かされる、というのが本作の骨格になる。
「犯人を知っている人」ほど刺さる構造
ここが本作の巧いところだ。『ポートピア連続殺人事件』は、その真相があまりにも有名になりすぎた作品である。40年以上経ったいま、初見で驚ける人はほとんどいない。ミステリーとしては致命的な状況だ。
その弱点を「視点を変える」という一手でひっくり返してきた。真相を知っているプレイヤーが、それを知らない別の登場人物として事件を追う。何が起きるかわかっているからこそ生まれる緊張——いわゆるドラマチック・アイロニーの構造である。リメイクの設計としてかなり頭がいい。
正直に書くと、わたしは1985年のファミコン版はリアルタイム世代ではない。生まれてすらいない。それでも「犯人はヤス」というフレーズだけは、どこからともなく脳に刷り込まれていた。あのミーム的な知名度を逆手に取る作りだとしたら、未プレイ世代こそ一番おいしい立場にいることになる。
ゲームシステムはどう変わる?
原作はコマンド選択式のアドベンチャーゲームだったが、本作ではポイント&クリック形式の場面も確認されている。「しらべる」「きく」といったコマンドを総当たりする往年の遊び方から、画面内を直接調べる方式へ寄せてきた形だ。
グラフィックもドット絵からイラストベースへ一新され、製品版ではフルボイスに対応する。新キャラクターも追加される。もはや「リメイク」という言葉ではカバーしきれない改修量だ。
一方で気になる点も挙げておく。総当たりコマンド式には、あの時代特有の理不尽な手触りと、それゆえの達成感があった。快適さと引き換えに何が失われるかは、実際に触るまで判断できない。ここは慎重に見ていきたいところだ。
音楽は清塚信也・キャラデザは浅野恭司——豪華スタッフ布陣
スタッフ陣がとにかく強い。主要メンバーを整理しておく。
| 担当 | 名前 | 備考 |
|---|---|---|
| 原作・制作総監督 | 堀井雄二 | 原作者本人が総監督として参加 |
| 音楽 | 清塚信也 | 30曲以上を書き下ろし |
| キャラクターデザイン | 浅野恭司(WIT STUDIO) | アニメーション業界の第一線 |
音楽の清塚信也はピアニスト・作曲家として広く知られる人物で、そのキャリアの人がゲーム1本に30曲以上を書き下ろすというのは相当な力の入れようだ。ファミコン版はサウンド面が非常に簡素だった作品なので、ここは完全な”追加”にあたる。
キャラクターデザインの浅野恭司はWIT STUDIO所属のアニメーターで、アニメ作品での実績を持つ。ドット絵の顔グラフィックしかなかった登場人物たちに、明確な造形が与えられることになる。
そして何より、堀井雄二本人が原作・制作総監督として関わっている点が大きい。他人が勝手に続きを作ったわけではなく、生みの親が自分で掘り返しにきた。ここが本作の信頼度を決定的に押し上げている。
TGS2026で試遊できる?『オホーツクに消ゆ』とのつながりも
本作は東京ゲームショウ2026(2026年9月17日〜21日/幕張メッセ)で試遊展示が実施される。発表からわずか1週間ちょっとで実機に触れる機会が来るというのは、開発が相応に進んでいる証拠だ。
さらに見逃せない情報がある。『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』のキャラクターが登場予定だという点だ。
『オホーツクに消ゆ』は、同じく堀井雄二が手がけた1984年のアドベンチャーゲームで、『ポートピア』と並ぶ堀井ミステリーの代表作である。両作のキャラクターが交差するとなれば、これは単発のリメイクではなく「堀井雄二ミステリー」という枠組みそのものの再構築を狙っている可能性が出てくる。
どのキャラクターがどう関わるのかは現時点で未発表だ。ただ、この一文が公式発表に含まれている時点で、意図的なフックであることは間違いない。TGS2026の試遊レポートで何か見えてくるかもしれない。
まとめ|続ポートピアは2027年発売・5つの捜査ファイルで事件を掘り返す
要点をもう一度整理しておく。
- タイトル:続ポートピア連続殺人事件:忘却の埋葬
- 発売時期:2027年(月日未定)
- 対応機種:Nintendo Switch/Nintendo Switch 2/PC(Steam)
- 販売形態:ダウンロード版/パッケージ版 価格:未定
- 原作・制作総監督:堀井雄二/音楽:清塚信也(30曲以上書き下ろし)/キャラデザ:浅野恭司(WIT STUDIO)
- 体制:企画・制作 ORION PROJECT/開発 room6・ゲームスタジオ/販売 ジー・モード
- 新要素:探偵・新聞記者・女子高生など別視点で描く「5つの捜査ファイル」
- その他:フルボイス対応/グラフィック一新/『オホーツクに消ゆ』のキャラクター登場予定
- 試遊:TGS2026(9月17日〜21日・幕張メッセ)
Steamのストアページはすでに公開済みで、ウィッシュリスト登録が可能だ。発売日の続報を逃したくないなら、いま登録しておくのが確実だろう。
真相が世間に知れ渡りすぎたミステリーを、どうやってもう一度成立させるか——その回答が「5つの捜査ファイル」という視点の複数化だ。犯人を知っているプレイヤーが、知らない人物として事件を追う構造は、原作の弱点をそのまま武器に変えている。堀井雄二本人が総監督に立ち、清塚信也が30曲以上を書き下ろし、『オホーツクに消ゆ』のキャラクターまで顔を出す。懐古企画の枠を明確に踏み越えた一本だ。懸念は総当たりコマンドの手触りが快適化でどこまで残るかの一点に尽きる。
40年前に埋めたものを、堀井雄二本人が掘り返しにきた。これは見届けるしかない。
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