80年代日本の株式市場を舞台にしたシミュレーション『STONKS-9800: Stock Market Simulator』の開発元TERNOX Gamesが、ソニーからPlayStation開発者・パブリッシャー契約を一方的に解除されたと発表した。理由の説明は一切なかったという。
結果として、同社がPlayStation向けに展開してきた全13作品が2026年8月23日にPlayStation Storeから削除される。開発が進んでいた『STONKS-9800』のPS5版も、そのまま消えることになった。
1本や2本の話ではない。1つのスタジオのPlayStationにおける全存在が、理由不明のまま1週間足らずで消滅するという事態だ。しかも当のTERNOXは「PlayStationサポートは自分の主張に耳を傾けず、メールにも一切返信しない」と訴えている。
この記事では、何が起きたのか、なぜ削除されるのか、消えるのは具体的に何なのか、そして8月23日までにユーザーが何をすべきかを整理していく。
まずタイムリミットを確認しておこう。2026年8月23日だ。この記事の公開時点で、残された時間はもう1週間もない。
何が起きた?ソニーがTERNOXとの契約を一方的に解除
TERNOX Gamesの発表によれば、ソニー・インタラクティブエンタテインメントは何の理由も告げないまま、同社との開発者契約および販売代理店契約を解除した。
これにより、TERNOXがPlayStationプラットフォームで扱ってきた全タイトルがストアから引き上げられる。対象は13作品、削除実施日は2026年8月23日とされている。
TERNOXは過去5年でPlayStation向けに10本を自社リリースし、さらに他社から3本の移管を受けていた。合わせて13本。この全部が一斉に消える。
開発元は状況についてこう述べている。
PlayStationサポートは自分の主張に耳を傾けず、メールにも返信しない。
引用元:Game*Spark
プラットフォームホルダーが個別のデベロッパー契約を切ること自体は、権利として当然ありうる。だが理由を告げず、異議申し立ての窓口も機能させないというのは話が別だ。プラットフォームに乗るという判断が、これほど一方的に無効化されうるという実例になってしまった。
TERNOXは自社がパブリッシングを担当していた他デベロッパーの作品についても謝罪を表明している。自分の契約解除に、他人のゲームまで巻き込んでしまったからだ。この点が一番きつい。
なぜ削除される?理由は説明されていない
ソニー側からの公式な理由説明は、2026年8月時点で行われていない。これが本件で最も問題視されている部分だ。
一部では、ソニーがいわゆる「シャベルウェア」——低品質・大量生産型のタイトル——に対する審査基準を厳格化している動きと時期が重なっている、という見方が出ている。ただしこれはあくまで観測であり、ソニーがその理由でTERNOXを切ったと確認された事実はない。
ここは慎重に見るべきところだ。TERNOXのカタログには小規模・低価格のタイトルが多く含まれるが、同時に『STONKS-9800』のようにSteamで3,000件を超えるレビューを集め、圧倒的に好意的な評価を得ている作品も抱えている。一律に低品質と切り捨てられる内容ではない。
仮に基準の厳格化が背景にあったとしても、対象デベロッパーに理由を通知せず、問い合わせにも応じないという運用は擁護しにくい。ルールを厳しくすること自体は理解できるが、それは説明責任を放棄していい理由にはならないはずだ。
PS5版『STONKS-9800』は事実上の開発中止に
今回の契約解除により、進行していた『STONKS-9800』のPlayStation 5版はリリースされないことが確定した。コンソール展開を待っていたファンにとっては、これが一番の実害だろう。
消えるのは何?13作品の扱いとSwitch・Xbox版の行方
整理しておこう。今回の措置で影響を受ける範囲と、受けない範囲は明確に分かれる。
| 対象 | 状況 |
|---|---|
| PlayStation Store(PS4/PS5) | TERNOX関連13作品が2026年8月23日に削除 |
| PS5版『STONKS-9800』 | リリースされない(事実上の中止) |
| Nintendo Switch | 引き続き販売継続とされる |
| Xbox | 引き続き販売継続とされる |
| Steam版『STONKS-9800』 | 影響なし・通常どおり販売中 |
つまり今回の件はPlayStationプラットフォームに限定された話だ。SwitchやXbox、Steamで遊ぶつもりなら影響を受けない。
すでに購入済みの人はどうなる?
PS Storeにおける配信停止(デリスティング)は、一般的には新規購入ができなくなるだけで、すでに購入したユーザーはライブラリから再ダウンロードできるのが通例だ。
ただし今回、購入済みタイトルの扱いについてソニー・TERNOXの双方から明確な公式アナウンスは出ていない。不安であれば、8月23日より前に本体へインストールしておくのが安全だ。これは煽りではなく、単純にリスク管理の話である。
『STONKS-9800』とはどんなゲーム?Steam版は健在
今回話題の中心になっている『STONKS-9800: Stock Market Simulator』についても触れておこう。
本作は1980年代日本の株式市場でビジネスマンとして成り上がるテキストベースのシミュレーションだ。2023年7月17日にリリースされ、Windows / Mac / Linuxに対応。日本語を含む多言語対応済みである。
ゲーム内容は、株の売買と配当の獲得、株価の監視、働きすぎないための健康管理、不動産や車の購入、企業経営、そしてパチンコや競馬といったミニゲームまで。バブル期日本のあの空気を、レトロPC風のUIで再現している。
Steamでは英語圏だけで1,300件以上の高評価を集め、全体でも3,000件超のレビューで圧倒的に好評という評価を維持している。間違ってもシャベルウェアと呼べるような作品ではない。
ちなみにわたし、これをSteam Deckに入れて回転寿司の順番待ちでやってたことがある。80年代の株で儲けながらレーンを見つめる32歳、我ながら業が深い。
8月23日までにやるべきことは?
PlayStationでTERNOX作品を遊びたい・遊び続けたいなら、行動できる時間はもう残り少ない。やるべきことを3つに絞って挙げておく。
- 8月23日より前にPS Storeで購入を済ませる——削除後は新規購入が不可能になる
- 購入済みタイトルは本体にインストールしておく——再ダウンロード可否について公式説明がないため
- PS版に強いこだわりがなければSwitch・Xbox・Steam版を選ぶ——こちらは継続販売とされている
とくに『STONKS-9800』目当ての人は、素直にSteam版でいい。PS5版はもう出ないし、Steam版は今後もアップデートが期待できる。
TERNOXは「この決定が再考されることに、ほんのわずかな望みを持っている」とも述べている。撤回の可能性は完全に消えたわけではない。ただ、それを前提に動くのは現実的ではないだろう。
まとめ:TERNOX全13作品が8月23日にPSストアから削除、理由は未説明
要点を再掲する。『STONKS-9800: Stock Market Simulator』の開発元TERNOX Gamesが、ソニーから理由の説明なくPlayStation開発者・販売代理店契約を一方的に解除されたと発表した。
これにより、同社がPlayStation向けに展開してきた全13作品が2026年8月23日にPlayStation Storeから削除される。開発中だったPS5版『STONKS-9800』もリリースされないことが確定した。TERNOXは「PlayStationサポートは主張に耳を傾けず、メールにも返信しない」と訴えている。
一方でNintendo Switch版・Xbox版は継続販売とされ、Steam版『STONKS-9800』も影響を受けない。PS版にこだわりがなければ、他プラットフォームを選べば問題なく遊べる。削除の理由についてソニーからの公式説明は現時点でなく、シャベルウェア対策の厳格化と時期が重なっているという観測はあるものの、確認された事実ではない。
ストアの品質基準を上げること自体は、ユーザーにとって歓迎すべき方向だ。だが理由を告げず、問い合わせにも応じず、開発者が巻き込んだ他社作品にまで累が及ぶ——この運用は別問題として批判されるべきだろう。Steamで3,000件超の好評を得た作品を抱えるスタジオが一括削除される以上、線引きの説明は必要だ。
遊びたいゲームは、遊べるうちに買っておく。デジタル時代の鉄則を思い出させてくれる一件だ。
※本記事の情報は2026年8月18日時点のものだ。削除対象・実施日は変更される可能性がある。
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小田のっこ











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