『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』が2026年9月29日19時(日本時間)に配信開始された。対応機種はNintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam、GOG、Epic Games Store、Battle.net)。オリジナル版を持っているなら、パッケージ版・ダウンロード版を問わず同一プラットフォームのリマスター版へ無償アップグレードできる。
CD PROJEKT REDが手を入れたのはグラフィックだけじゃない。スキルシステムがツリー形式に刷新され、装備の見た目を変えられる「鍛え直し」が追加され、クロスプラットフォームのMODサポートまで入った。10年以上前のゲームに対する改修としては、かなり踏み込んでいる。
ただし注意点がある。Switch版とPS4版はリマスター非対応だ。現行機版へのアップグレードに100円[税込]が必要で、そこを通ってからリマスターへ無償アップグレードという二段構えになる。ここを勘違いすると「無料じゃないのか」と混乱するので、先に押さえておきたい。
わたしはSteam Deckに入れた『ウィッチャー3』で何度もローチに振り落とされてきた人間だ。その馬の操作まで手が入ったと聞いて、正直ちょっと感動している。変更点を全部整理する。
『ウィッチャー3 リマスター』の対応機種と配信日は?
配信は2026年9月29日19時(日本時間)に開始された。対応機種はNintendo Switch 2、PS5、Xbox Series X|S、PC(Steam、GOG、Epic Games Store、Battle.net)の4系統だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信開始 | 2026年9月29日19時(日本時間) |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S/PC |
| PCストア | Steam/GOG/Epic Games Store/Battle.net |
| 開発・販売 | CD PROJEKT RED |
| 非対応 | Nintendo Switch版/PS4版 |
| その他 | ウクライナ語ローカライズ(テキストのみ)追加/Xbox Play Anywhere対応 |
Switch 2が初日から並んでいる点が目を引く。前世代のSwitch版は「よくあれを動かしたな」と言われる移植だったが、今回はハードの側が追いついたかたちだ。PC側は主要4ストアすべてに同時展開で、取りこぼしがない。
無償アップグレードの条件は?Switch版・PS4版の扱いに注意
オリジナル版を持っていれば、パッケージ版・ダウンロード版を問わず同一プラットフォームのリマスター版へ無償アップグレードできる。アップグレードすると、大型DLC『無情なる心』『血塗られた美酒』も無料で手に入る。
問題はSwitch版とPS4版だ。この2つはリマスターに対応していない。現行機へ橋を渡す必要がある。
- Switch版の所持者 → Switch 2版へアップグレード(100円[税込])→ その後リマスターへ無償アップグレード
- PS4版の所持者 → PS5版へアップグレード(100円[税込])→ その後リマスターへ無償アップグレード
- すでにSwitch 2版/PS5版/Xbox Series X|S版/PC版を持っている → 追加費用なしでリマスターへ
100円という金額設定はほぼ手数料に近い。無料と言い切らずに100円を挟んできたのは何らかの事情があるのだろうけれど、実質的には無償と言っていい水準だ。DLC2本まで付いてくるなら文句のつけようがない。
気になる点:獲得済みスキルポイントはリセットされる
スキルシステムが刷新された影響で、獲得済みのスキルポイントはリセットされる。継続プレイ中のセーブデータがある人は、振り直しが発生すると覚悟しておきたい。
また不具合修正のうち「ワインは神聖なり」の進行不能修正は過去のセーブデータには適用されない。すでに詰まっている人は、手前のセーブをロードし直す必要がある。ここは公式が明記している点だ。
グラフィックは何が変わった?DirectX 12とHD Reworked Project
大きいのは2点だ。ネイティブDirectX 12レンダリングとマルチスレッド対応、そしてThe Witcher 3 HD Reworked Projectのアセットをベースにしたテクスチャ・モデル更新である。
HD Reworked Projectは有名なMODプロジェクトだ。それを公式がベースとして取り込んできた。10年以上コミュニティが積み上げてきたものを正面から採用する判断は、ちょっと痺れる。
そのほかの改善点は以下のとおり。シェーディングモデルの改善、草木・植生のライティング改善、トーンマッピング更新、GTAO(グラウンドトゥルース・アンビエントオクルージョン)の追加、HDRキャリブレーションの拡充、レイトレースローカルシャドウの追加、SSR(スクリーンスペースリフレクション)とスクリーンスペースシャドウの更新、モーションブラー改善、サブサーフェス・スキャタリングの更新、IBL(イメージベースドライティング)の実装、ブルームのリワーク。
草木のライティングとサブサーフェス・スキャタリングに手が入っているのが重要だ。『ウィッチャー3』の絵の良さは、ヴェレンの湿地や白い果樹園の風景と、キャラクターの肌の質感で持っている。そこを直接触ってきている。
PC版・PS5版・Switch 2版の機種別強化点
プラットフォーム固有の追加要素も多い。機種を選ぶ判断材料になるので整理する。
| 機種 | 固有の強化点 |
|---|---|
| PC | パストレーシング対応/NVIDIA DLSS 4.5+Ray Reconstruction/AMD FSR 4(Frame Generation・Anti-Lag 2含む。RX 7000シリーズ以降が必要・非対応GPUではFSR 2)/Intel XeSS 2.0(Frame Generation・Low Latency含む)/レイトレースHairWorks/DualSenseハプティックフィードバック対応。動作環境が変更された |
| PS5 | マルチスレッドレンダリング実装/PS5 Pro対応/PSSR対応/VRRとフレームレート上限解除/レイトレーシングモード(ライティング強化で60FPSターゲット)とパフォーマンスモード(高解像度で60FPSターゲット・VRR対応ディスプレイで最大90FPS) |
| Switch 2 | 4つのプレイスタイル(携帯モード/Proコントローラー/2本持ち/マウスセンサー)/モーションパターン操作/ジャイロ照準/タッチスクリーン操作(メニュー・会話・ワールドマップ・グウェント・フォトモード)/Joy-Con 2のHD振動2/VRR・HDR対応 |
Switch 2のマウスセンサー操作対応は、控えめに言って変わっている。常に有効とダイナミックの2モード、さらにコンフォート/ダイナミック/デフォルトの3操作方式まで用意されている。携帯機でウィッチャーをマウス操作、という選択肢が生まれたわけだ。
PC勢はパストレーシング対応と動作環境の変更に注意したい。要求スペックが上がっている可能性がある。Steam Deckで動かしているわたしとしては、ここが一番の関心事だ。
スキルシステムと「鍛え直し」はどう変わった?
スキルシステムはツリー形式に刷新され、各スキルに3段階のランクが設定された。解除条件も変わり、一定数のポイントを消費するのではなく前提スキルの習得が条件になった。
スキルシステムを刷新し、ツリー形式となりました。各スキルに3段階のランクが設定され、スキルの解除は一定数のポイント消費ではなく、前提となるスキルの習得が条件となります。なお、獲得済みのスキルポイントはリセットされます。装備の性能をそのままに外見を変更できる「鍛え直し」機能を追加しました。
引用元:CD PROJEKT RED公式サイト
この変更の意味は大きい。オリジナル版のスキル構成は「ポイントを貯めて解放」という単純な仕組みで、どれを取っても中盤までは器用貧乏になりやすかった。前提スキル方式になると、ビルドの筋道が最初から見える。育成の設計が一段わかりやすくなるはずだ。
そして「鍛え直し」。装備の性能を保ったまま外見だけ変えられる機能で、実施できるのは名匠ヨアンナとハットリのみ。新しい装備や設計図を手に入れると外見が解除されていく仕組みで、『血塗られた美酒』の染料は鍛え直し後も引き継がれる。
これはファッション勢にとって事実上の本命アップデートだ。性能のいい防具がダサいという問題に10年悩まされてきた人が、世界中にいる。わたしもその一人だ。ゲラルトをやっと好きな見た目で歩かせられる。
戦闘・移動・カメラの改善
ボス以外の全怪物の戦闘挙動が改善され、「馬の操作の入力感度」スライダーが追加された。ローチとゲラルトの移動・アニメーションも改善されている(ただしジャンプの距離・高さは変更なし)。
カメラは2種類追加された。視野角を広げた探索用カメラと、ダイナミック戦闘カメラだ。さらに新しいフィニッシュムーブと待機アニメーションも入っている。
操作面では、回避ボタンの長押しでロックオンを解除しつつ全力疾走で戦闘から離脱できるようになった(Alt/〇/B → 左Shift/X/A)。ローチから降りずにアイテムを回収できる変更も入っている。地味だが、100時間遊ぶゲームではこういう改善が一番効く。
UI・フォトモード・アクセシビリティの追加要素は?
UI面では、瞑想時にUI画面ではなくタイムラプスが表示されるようになった。マップは未追跡クエスト専用マーカーが追加され、マーカーの上限も増加。ミニマップの薬草・船・死体を非表示にするオプションも入った。
そのほか、クエスト通知がHUD1つに統合され、複数アイテムをまとめて取得できるようになり、入手アイテムがフィード表示されるようになった。設定項目の「HUD設定」は「インターフェース」に改称されている。
フォトモードの拡張が地味に豪華だ。複数キャラの配置、ポーズ・表情の追加、カメラ位置の固定、環境プリセット、カメラプリセットの保存、アスペクト比変更、一人称視点カメラ、コリジョン判定のオンオフ、天候・時間帯変更、三分割法ガイドと映画風の黒帯、座標表示、NPC非表示、小道具追加。ここまで来るともう写真アプリだ。
「吟遊詩人のバラッド」プリセットの追加
新たに「アクセシビリティ」セクションが独立し、「吟遊詩人のバラッド」というプリセットが追加された。「ストーリー」難易度で新規開始するとき、または途中から有効化できるもので、疲労を感じやすい人・集中力が続きにくい人の負担を軽減する目的で用意されている。
個別オプションも並んでいる。体力自然回復のブースト、無限息止め、アイテムの耐久力の無限化、小舟の耐久力の無限化、アイテム重量の無視、小舟の速度上昇、ウィッチャーの感覚の切り替え式。
小舟の耐久力と速度がわざわざ項目に入っているのが笑える。スケリッジの海で船を壊した経験のある人間なら、この項目がどれだけ切実かわかるはずだ。アクセシビリティ設定として真面目に用意されているのが、いかにもCD PROJEKT REDらしい。
MODサポートはどうなった?mod.io連携でクロスプラットフォーム対応
今回の目玉のひとつがクロスプラットフォームMODサポートだ。mod.ioを利用したゲーム内ツールからMODを検索・インストールできるようになった。
手順はシンプルだ。メインメニューの「MOD」からCD PROJEKT RED Accountでログインし、mod.ioと連携する。あわせてMOD制作ツールREDkitのエンジン・UIも改善されている。
家庭用機でもMODが使える、という部分が大きい。HD Reworked Projectを公式アセットに取り込み、さらにMODのエコシステムをゲーム内に組み込む。MOD文化に育てられたタイトルが、それをそのまま制度化してきたかたちだ。
関連して、拡張パック『ウィッチャー3 ワイルドハント — 追憶の調べ』も控えている。2026年5月27日に発表され、新たな舞台「レッテン」が登場するもので、8月26日にトレーラーが公開されている。リマスターはこの拡張へ向けた土台整備でもあるのだろう。
あわせて読みたい
『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』情報まとめ
改めて整理する。『ウィッチャー3 ワイルドハント リマスター』は2026年9月29日19時(日本時間)に配信開始。対応機種はNintendo Switch 2/PS5/Xbox Series X|S/PC(Steam、GOG、Epic Games Store、Battle.net)。オリジナル版所持者はパッケージ版・ダウンロード版を問わず同一プラットフォームのリマスター版へ無償アップグレードでき、大型DLC『無情なる心』『血塗られた美酒』も無料で入手できる。
Switch版・PS4版はリマスター非対応。Switch 2版・PS5版への現行機アップグレードに100円[税込]が必要で、その後リマスターへ無償アップグレードできる。主な変更点はネイティブDirectX 12レンダリング、The Witcher 3 HD Reworked Projectベースのテクスチャ更新、ツリー形式に刷新されたスキルシステム(獲得済みスキルポイントはリセットされる)、装備の外見を変更できる「鍛え直し」、mod.io経由のクロスプラットフォームMODサポート、「吟遊詩人のバラッド」アクセシビリティプリセットだ。PC版はパストレーシングに対応し動作環境が変更されている(2026年9月30日時点)。
絵を磨いただけのリマスターではない。スキルツリーの作り直し、装備の外見変更、家庭用機を含むMODサポート、アクセシビリティプリセットの新設——これは「もう一度この世界で100時間遊ばせるための改修」だ。コミュニティMODのHD Reworked Projectを公式アセットの土台にした判断も、10年分の敬意として正しい。一方でスキルポイントのリセットと、Switch版・PS4版が100円の橋を渡らないと届かない点は、事前に知らないとつまずく。そこだけ確認してから飛び込めばいい。
配信はもう始まっている。ローチを呼べ。今度はちゃんと曲がる。
小田のっこ














コメントを残す