セーラームーンを観ようとして検索すると、まず数に固まる。1992年の旧作だけでTV5シリーズ全200話、2014年からのCrystalが3期で39話、劇場版は1990年代の3本と2021年のEternal、2023年のCosmosが前後編で4本。合計すると40時間を軽く超える。どこから手を付ければいいのか。
結論から言う。初めてなら旧作の無印1話から。時間がないなら旧作の第3期にあたる美少女戦士セーラームーンSを観る。原作漫画の話を追いたいならCrystal第1期から。旧作は1期ごとに敵も新キャラも入れ替わるので、途中の期から入っても1話目で状況は飲み込める。ただし「入りやすさ」と「出来の良さ」には差があって、それを順位で示したのがこの記事だ。
対象は旧作TVシリーズ5期、Crystalを第1・2期と第3期の2つに分け、劇場版Eternalを加えた8本。ストーリー・作画・キャラクター・感動度の4軸を各100点で採点した。放送期間、話数、監督、シリーズ構成、キャラクターデザインは全部そろえてあるので、観る前の下調べはこれで終わる。完結編のCosmosと1990年代の劇場版3本は、入口には向かないので番外編にまとめた。
ちなみにわたしは旧作Sのウラヌスとネプチューンで人生の何かが決まった側の人間だ。順位にはそれが出ていると思う。
採点は4軸の合計点が高い順に並べた。同点の場合はストーリーの点が高い方を上位にしている。
セーラームーンはどれから観るべき?8本の採点比較一覧
合計点が最も高いのは旧作第3期の美少女戦士セーラームーンSで365点だ。初めて観る人の入口としては無印(348点)を推すが、1本だけ観て作品の一番いいところを知りたいならSを選ぶ。
| 作品名 | ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 美少女戦士セーラームーンS | 92 | 85 | 96 | 92 | 365 |
| 2位 美少女戦士セーラームーン(無印) | 86 | 78 | 92 | 92 | 348 |
| 3位 美少女戦士セーラームーン セーラースターズ | 86 | 82 | 88 | 88 | 344 |
| 4位 美少女戦士セーラームーンCrystal 第3期(デス・バスターズ編) | 84 | 86 | 88 | 84 | 342 |
| 5位 美少女戦士セーラームーンR | 83 | 80 | 90 | 85 | 338 |
| 6位 劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal 前編・後編 | 80 | 90 | 86 | 80 | 336 |
| 7位 美少女戦士セーラームーンSuperS | 72 | 84 | 84 | 72 | 312 |
| 8位 美少女戦士セーラームーンCrystal 第1期・第2期 | 78 | 62 | 80 | 74 | 294 |
旧作とCrystalは同じ原作の別アニメ化で、話はつながっていない。旧作5期は1992年から1997年まで連続放送された1本の流れ、Crystal第1期からCosmosまでが2014年から2023年にかけての原作準拠のもう1本の流れだ。この2本の流れを混ぜて観る必要はない。
採点で作画の点が最も高いのはEternal(90)、キャラクターの点が最も高いのはS(96)。Crystal第1期・第2期の作画62は2014年の配信当時に作画の乱れが指摘された分を反映している。作品全体の評価というより「どこから入るか」の判断材料として読んでほしい。
セーラームーンのアニメは全部でいくつある?旧作・Crystal・劇場版の対応表
TVシリーズは旧作5期(全200話)とCrystal3期(全39話)の計8本、劇場版は1990年代の3本と2020年代の前後編2作(計4本)で、合わせて12本ある。原作漫画は5部構成で、旧作とCrystalはどちらも原作の各部に対応している。
| 原作 | 旧作TVシリーズ(1992〜1997) | Crystal系(2014〜2023) |
|---|---|---|
| 第1部 ダーク・キングダム編 | 無印(46話・1992年3月7日〜1993年2月27日) | Crystal第1期(14話・2014年7月5日〜配信) |
| 第2部 ブラック・ムーン編 | R(43話・1993年3月6日〜1994年3月12日) | Crystal第2期(12話・2015年7月18日まで配信) |
| 第3部 デス・バスターズ編 | S(38話・1994年3月19日〜1995年2月25日) | Crystal第3期(13話・2016年4月4日〜6月27日) |
| 第4部 デッド・ムーン編 | SuperS(39話+SP・1995年3月4日〜1996年3月2日) | 劇場版Eternal 前編2021年1月8日・後編2月11日 |
| 第5部 セーラースターズ編 | セーラースターズ(34話・1996年3月9日〜1997年2月8日) | 劇場版Cosmos 前編2023年6月9日・後編6月30日 |
旧作は原作をベースにしつつアニメオリジナルの話を大量に足していて、Rの前半(魔界樹編)のように原作にないエピソードもある。Crystalは原作準拠で、1話が原作1話分に対応するAct.形式だ。同じ場面でも描き方が違うので、両方観ても損はしない。ただ入口として両方を一度に始めるのはやめた方がいい。
1990年代の劇場版3本(R・S・SuperS)はTVシリーズの外伝で、原作のどの部にも対応しない。各60分で単独で完結するので、TVを観終わった後のおまけとして位置づけるのが正しい。
【第1位】美少女戦士セーラームーンS|1本だけ観るなら迷わずこれ
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 92 | 85 | 96 | 92 | 365 |
旧作の第3期にあたる美少女戦士セーラームーンSは、1994年3月19日から1995年2月25日まで全38話が放送された。シリーズディレクターは幾原邦彦、シリーズ構成は榎戸洋司、キャラクターデザインは伊藤郁子。敵はデス・バスターズで、セーラーウラヌス、セーラーネプチューン、セーラーサターンの3人が初登場する。
この期が別格なのは、うさぎたちの内部戦士5人に対して、外部太陽系のウラヌスとネプチューンが「世界を救うためなら犠牲もやむなし」という別の正義で立ちはだかる構図にある。敵と味方の間にもう1つの勢力を置いたことで、敵を倒せば終わりという話ではなくなった。幾原邦彦と榎戸洋司のコンビはこの後、少女革命ウテナを作る。その芽がここにある。
サターンをめぐる後半の展開は、シリーズ全体を通しても感動度の頂点だと思う。はるかとみちるの関係性は1994年の夕方のアニメとしては踏み込んでいて、今観ても古びていない。わたしはこの2人で人生の何かが決まった。マジで。
注意点は、Sから入るとうさぎと衛の関係やちびうさの正体が既知の前提で進むこと。ただ1話目で主要人物の立ち位置は分かるし、前期までの話を知らなくてもサターン編の衝撃は変わらない。キャラクター96点はウラヌス・ネプチューンの分だ。
- 旧作5期で最も評価の高い期。ウラヌス・ネプチューン・サターンが初登場
- 幾原邦彦×榎戸洋司の演出と脚本で、敵味方の二項対立を崩した構成
- 全38話で旧作の中では短め。1クールずつ区切って観やすい
- うさぎと衛、ちびうさの関係は既知の前提で進む
- 1994年の作画なので、画の安定感はEternal以降と比べない方がいい
【第2位】美少女戦士セーラームーン(無印)|初めてなら結局ここから
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 86 | 78 | 92 | 92 | 348 |
第1期の美少女戦士セーラームーンは1992年3月7日から1993年2月27日まで全46話、テレビ朝日系で土曜19時に放送された。シリーズディレクターは佐藤順一、シリーズ構成は富田祐弘、キャラクターデザインは只野和子。敵はダーク・キングダムで、月野うさぎがセーラームーンになり、マーキュリー、マーズ、ジュピター、ヴィーナスが順に仲間になる。
「変身ヒロインが5人チームで戦う」という形を作った作品で、1話ごとに敵の妖魔を倒す構成は分かりやすい。主人公のうさぎが泣き虫でドジで、それでも最後に立つ、という骨格はここで完成している。月野うさぎ役の三石琴乃は旧作からCrystal、Cosmosまで一貫して演じていて、その声をまず無印で聴くのが王道だ。
ストーリー86点にとどめたのは、46話のうち前半が1話完結の敵退治で、物語が動き出すのは後半に入ってからだから。作画78点は1992年の週1本放送の実力で、回による落差は大きい。それでも最終2話の展開は今観ても強い。感動度92点はそこに払った。
全部を順番に観るつもりなら、ここから始めるのが正解だ。Sの良さは無印を経てから観た方が確実に大きくなる。時間があるなら無印、ないならS。この記事の結論はその2択に尽きる。
- シリーズの原点。5人がそろうまでの過程をゼロから追える
- 月野うさぎ役・三石琴乃の声を最初に聴くならここ
- 最終2話の展開は旧作全体でも屈指
- 前半は1話完結の敵退治が続き、話が動くまで時間がかかる
- 全46話で旧作5期の中では最長
【第3位】美少女戦士セーラームーン セーラースターズ|最終章から入る手もある
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 86 | 82 | 88 | 88 | 344 |
旧作第5期の美少女戦士セーラームーン セーラースターズは1996年3月9日から1997年2月8日まで全34話。シリーズディレクターは五十嵐卓哉、シリーズ構成は山口亮太、キャラクターデザインは為我井克美で、スタッフが大きく入れ替わった。敵はシャドウ・ギャラクティカ、新キャラクターはセーラースターファイター、セーラースターメイカー、セーラースターヒーラーの3人からなるセーラースターライツと、ちびちび。オープニングは第167話からセーラースターソングに変わる。
旧作の最終章であり、地球の外から来たスターライツとの関係、衛の不在、シャドウ・ギャラクティカとの決戦と、シリーズをたたむための要素が詰まっている。最終話に向けての畳み方は旧作5期で一番潔く、34話という短さも効いている。感動度88点は最終話の分だ。
入口として3位に置いたのは、スターライツが話の中心なので「うさぎたちの物語」としては前提が多いこと。無印とSを観た後に観るのが本来の順番で、いきなり観ると衛がいない理由が分からない。ただ、SuperSで離れた人がここに戻ってくる価値は十分にある。
- 旧作の最終章。全34話で短く、畳み方が潔い
- セーラースターライツという新しい関係性が話の軸
- 第167話からオープニングがセーラースターソングに変わる
- 衛の不在やちびうさの経緯など、前期までの前提が多い
- スタッフ交代で画の雰囲気がS・SuperSと変わる
【第4位】美少女戦士セーラームーンCrystal 第3期(デス・バスターズ編)|Crystalから入るならここまで観る
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 84 | 86 | 88 | 84 | 342 |
美少女戦士セーラームーンCrystal SeasonⅢは2016年4月4日から6月27日までTOKYO MXほかで放送された。Act.27が前編・後編に分かれているため全13話。監督は今千秋、シリーズ構成は小林雄次、キャラクターデザインは高橋晃で、第1・2期から監督とキャラクターデザインが交代した。原作第3部のデス・バスターズ編を描く。
第1・2期で指摘された作画の不安定さがここで解消され、キャラクターデザインも原作の線に寄った。旧作Sと同じ範囲を原作準拠でやるとどうなるか、を確かめる意味でも観る価値がある。ウラヌスとネプチューンの関係は原作どおりで、旧作Sとは違う描き方だ。
4位に置いたのは、Crystal第1・2期を飛ばしてここから観るのは難しいから。Act.形式で原作1話ずつ進むので、前の話を知らないと置いていかれる。Crystalから入るなら第1期を我慢して観て、第3期で報われる、という流れになる。
- Crystal3期の中で最も作画が安定している
- 旧作Sと同じ範囲を原作準拠で観られる
- 全13話で短い
- Crystal第1・2期を観ていないと話に入れない
- 原作準拠なので旧作のアニメオリジナル要素はない
【第5位】美少女戦士セーラームーンR|ちびうさと劇場版への橋
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 83 | 80 | 90 | 85 | 338 |
旧作第2期の美少女戦士セーラームーンRは1993年3月6日から1994年3月12日まで全43話。シリーズディレクターは佐藤順一から第60話で幾原邦彦に交代し、キャラクターデザインも只野和子から伊藤郁子に引き継がれた。シリーズ構成は富田祐弘。前半はアニメオリジナルの魔界樹編、後半が原作準拠のブラック・ムーン一族編で、ちびうさとセーラープルートが初登場する。
関東地区の最高視聴率16.3%を記録した第74話はこの期の話で、シリーズの人気が頂点だった時期にあたる。ただ観る側からすると、前半の魔界樹編が無印の後日談として地味で、本筋のブラック・ムーン編に入るまでが長い。ストーリー83点はそこを引いた。
この期の価値はちびうさの登場にある。以後のシリーズ全部に関わるキャラクターなので、ちびうさの出自を知るためにRは避けて通れない。キャラクター90点はちびうさとプルートの分だ。同じ1993年の12月5日に公開された劇場版Rは幾原邦彦の監督作で、TVのRとは別物の完成度なので番外編で触れる。
- ちびうさとセーラープルートが初登場。以後の全シリーズの前提になる
- 後半のブラック・ムーン編は原作準拠で話が締まる
- 第74話で関東地区最高視聴率16.3%
- 前半の魔界樹編はアニメオリジナルで、本筋に入るまでが長い
- 途中でシリーズディレクターとキャラクターデザインが交代し、画の印象が変わる
【第6位】劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal 前編・後編|作画で入るなら
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 80 | 90 | 86 | 80 | 336 |
劇場版 美少女戦士セーラームーンEternalは前編が2021年1月8日、後編が2021年2月11日に公開された。各80分。監督は今千秋、脚本は筆安一幸、キャラクターデザインは只野和子で、東映アニメーションとスタジオディーンの共同制作、配給は東映。Crystal第3期の続きにあたる原作第4部デッド・ムーン編を描く。主題歌は月色Chainon。
只野和子のキャラクターデザインは旧作無印の人で、Crystal第1〜3期とは線が変わった。劇場作品なので作画は安定していて、作画90点は8本の中で最も高い。前後編160分で原作1部を描き切る密度も、TVシリーズより締まっている。
6位にしたのは入口としての問題だ。Crystal第3期の続きなので、うさぎたちの関係、ちびうさ、外部太陽系戦士の全部が既知の前提になる。Crystalを3期まで観てから観るものであって、ここから始めると人物が多すぎて追えない。作画の良さを確かめるために冒頭だけ観る、という使い方ならアリだと思う。
- 8本の中で作画が最も安定。只野和子のキャラクターデザインが美しい
- 前後編160分で原作第4部を描き切る
- Netflixで海外配信された作品
- Crystal第3期までの前提知識が必要。単独では入れない
- TVシリーズのような1話ごとの区切りがなく、一気に観る必要がある
【第7位】美少女戦士セーラームーンSuperS|ちびうさが好きならここ
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 72 | 84 | 84 | 72 | 312 |
旧作第4期の美少女戦士セーラームーンSuperSは1995年3月4日から1996年3月2日まで全39話に加え、1995年4月8日に3本立てのスペシャルが放送された。シリーズディレクターは幾原邦彦、シリーズ構成は榎戸洋司、キャラクターデザインは伊藤郁子でSのスタッフが継続。敵はデッド・ムーンで、ちびうさの子猫ダイアナが登場する。
ちびうさとペガサスを軸にした期で、主役がうさぎからちびうさに寄った。Sの直後に同じスタッフが作ったのに、ウラヌス・ネプチューン・サターンがTV本編に出てこない。Sで外部太陽系戦士に惚れた人がここで離れた、というのはよく言われる話で、わたしもSuperSは一度止まった。ストーリー72点、感動度72点はそのぶんだ。
ただ、作画84点は正当に高い。幾原演出のアマゾン・トリオをはじめとする敵側の描き方は癖が強くて面白いし、1話単位で見れば旧作5期で一番遊んでいる期でもある。ちびうさが好きな人、Sの空気をもう少し吸いたい人には向く。
- Sと同じ幾原邦彦・榎戸洋司・伊藤郁子の布陣
- 1話単位の演出の遊びは旧作5期で最も多い
- ちびうさが主役級。ちびうさ好きには外せない
- ウラヌス・ネプチューン・サターンがTV本編に出てこない
- 主役がちびうさに寄るため、うさぎの物語としては停滞する
【第8位】美少女戦士セーラームーンCrystal 第1期・第2期|原作で追いたい人の入口
| ストーリー | 作画 | キャラクター | 感動度 | 総得点 |
|---|---|---|---|---|
| 78 | 62 | 80 | 74 | 294 |
美少女戦士セーラームーンCrystalの第1期・第2期は2014年7月5日からニコニコ動画などで第1・第3土曜に配信され、2015年7月18日まで全26話。2015年4月1日から9月23日にはTOKYO MXなどでTV放送もされた。監督は境宗久、シリーズ構成は小林雄次、キャラクターデザインは佐光幸恵。第1期がダーク・キングダム編(14話)、第2期がブラック・ムーン編(12話)で、原作準拠のAct.形式。オープニングはももいろクローバーZのMOON PRIDE。月野うさぎ役は旧作に続き三石琴乃。
原作漫画の話をアニメで追いたいなら、入口はここしかない。旧作が足したアニメオリジナルの回がなく、原作1話がアニメ1話に対応するので、原作既読の人には速くて気持ちいい。うさぎと衛の関係も原作どおりに進む。
8位は作画62点が理由だ。2014年の配信当時に作画の乱れが広く指摘され、第3期で監督とキャラクターデザインが交代したのはその文脈で語られることが多い。わたしの評価も、第1・2期は「第3期以降にたどり着くための通過点」だ。旧作の無印とRを観た人が、同じ範囲の原作版として観るなら価値は上がる。
- 原作準拠のAct.形式。原作の話をアニメで追うならここから
- 旧作のアニメオリジナル要素がなく、26話で第1・2部が終わる
- うさぎ役は旧作から続く三石琴乃
- 配信当時に作画の乱れが指摘された。作画は第3期から安定する
- 旧作とは別物なので、旧作の印象で観ると違和感がある
【番外編】完結編のCosmosと1990年代の劇場版3本から入るのはアリか?
劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmosは前編が2023年6月9日、後編が月野うさぎの誕生日である6月30日に公開された。各80分。監督は高橋知也、脚本は筆安一幸、キャラクターデザインは只野和子、東映アニメーションとスタジオディーンの共同制作。原作最終章の第5部セーラースターズ編を描き、セーラーコスモス、ちびちび、セーラースターライツ、火球皇女が劇場映画として初登場する。
これは原作完結までのアニメ化を締めくくる作品で、入口にはならない。Crystal第1期からEternalまでを観た人が最後に観るもので、ここから観ると登場人物の半分が誰だか分からない。ただし旧作のセーラースターズを観た人が「原作版の結末」を確かめるために観るなら、前提はおおむね足りる。
| 劇場版 | 公開日 | 監督 | 脚本 | 上映時間 |
|---|---|---|---|---|
| 劇場版 美少女戦士セーラームーンR | 1993年12月5日 | 幾原邦彦 | 富田祐弘 | 60分 |
| 劇場版 美少女戦士セーラームーンS | 1994年12月4日 | 芝田浩樹 | 富田祐弘 | 60分 |
| 劇場版 美少女戦士セーラームーンSuperS セーラー9戦士集結!ブラック・ドリーム・ホールの奇跡 | 1995年12月23日 | 芝田浩樹 | 榎戸洋司 | 60分 |
| 劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal 前編・後編 | 2021年1月8日・2月11日 | 今千秋 | 筆安一幸 | 各80分 |
| 劇場版 美少女戦士セーラームーンCosmos 前編・後編 | 2023年6月9日・6月30日 | 高橋知也 | 筆安一幸 | 各80分 |
1990年代の3本は全部60分の単独作で、TVの各期の空気をそのまま劇場に持ち込んでいる。劇場版Rは幾原邦彦の監督作で、衛の幼少期の友人フィオレをめぐる話。配給収入13億円で1994年の邦画配給収入7位に入った。劇場版Sは芝田浩樹監督で、ルナが主役級に扱われ、ウラヌス・ネプチューン・プルートとちびムーンが劇場に初登場する。配給収入は10.5億円。劇場版SuperSはセーラー9戦士が集結する話で、脚本は榎戸洋司。
この3本から入るのは、正直アリだ。各60分でキャラクターの顔と関係がひととおり分かるし、劇場版Rはシリーズ全体でも屈指の出来。「セーラームーンがどんな作品か60分で知りたい」なら劇場版Rを観て、気に入ったら無印1話に戻る。この順番は意外と効率がいい。
セーラームーンはどこで配信されている?2026年10月時点で確認できた状況
2026年10月時点で、旧作TVシリーズ5期とCrystal3期を見放題で配信しているのはdアニメストアとU-NEXTだ。DMM TVは旧作5期を見放題で配信しているが、Crystalの扱いは情報源によって記述が分かれる。Netflixは国内で旧作を配信しておらず、劇場版Cosmosは配信している。
| サービス | 旧作TV5期 | Crystal3期 | 劇場版 |
|---|---|---|---|
| dアニメストア | 見放題 | 見放題 | 劇場版SuperSなど1990年代の劇場版を配信 |
| U-NEXT | 見放題 | 見放題 | Eternal前後編を見放題 |
| DMM TV | 見放題 | 要確認(情報源で食い違い) | — |
| Hulu | 配信あり(範囲は要確認) | 配信あり(範囲は要確認) | — |
| Netflix | 配信なし | 一部 | Cosmos前後編 |
| Amazon Prime Video | 単体では配信なし。東映アニメチャンネルの追加契約で視聴可 | 同左 | — |
この表は2026年4月から10月にかけて公開された複数の配信比較情報を突き合わせたもので、編集部が各サービスの全タイトルを直接確認したものではない。HuluとDMM TVのCrystal、Prime Videoの扱いは情報源で記述が割れたので、契約前に各サービスの検索で作品名を確認してほしい。配信状況は変わる。
旧作とCrystalを両方そろえたいならdアニメストアかU-NEXT、旧作だけならDMM TVでも足りる。EternalとCosmosは配信先が分かれているので、Crystal系を最後まで観るつもりなら、U-NEXTでEternalまで、Netflixでcosmos、と2サービスにまたがる前提でいた方がいい。
セーラームーンはどれから観る?8本の採点まとめ
初めてなら旧作の無印1話から、1本だけ選ぶなら旧作第3期の美少女戦士セーラームーンS(1994年3月19日〜1995年2月25日・全38話・シリーズディレクター幾原邦彦)、原作準拠で追うならCrystal第1期から。採点の合計はS365点、無印348点、セーラースターズ344点、Crystal第3期342点、R338点、Eternal336点、SuperS312点、Crystal第1・2期294点の順だ。旧作5期は全200話、Crystalは3期で全39話、劇場版は1990年代の3本と2020年代の前後編2作。完結編のCosmosは入口にならず、1990年代の劇場版Rは60分でシリーズを知る近道になる。
セーラームーンは「どこからでも入れる」作品ではない。旧作は5期が1本の流れで、Crystal系は原作準拠のもう1本の流れだ。だから結論は2択になる。時間があるなら無印から順に、ないならSだけ。Sで外部太陽系戦士に惚れたら、あとは勝手に全部観ることになる。30年以上前の土曜19時のアニメが、今もそれだけの引力を持っている。
迷ったらS。それでも迷うなら劇場版Rを60分。そこから先は、もう戻れない。














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