Steamのリリース審査で5分間のプレイが必須化、最大12営業日に長期化。スクリーンショット規定は逆に緩和

Steamでゲームを出すなら、審査に出す前に自分のゲームを5分以上プレイしておく必要がある。そんな項目がリリースチェックリストに追加された。Valveが2026年11月4日に公開した「リリース前のレビュープロセスに関するアップデート」で明らかになった変更だ。

背景にあるのは審査の渋滞だ。審査申請はこの数か月で大幅に増加し、通常3〜5営業日を目標としていた審査が、現在は最大12営業日かかっている。主な原因は再審査が必要なゲームの多さだとValveは説明している。

そして同時に、スクリーンショットの規定は緩和された。2016年から続いていた「実際のスクリーンショット以外の掲載制限」が見直され、コンセプトアートやゲーム内シネマティックのスクリーンショットも、正しいカテゴリを指定すればアップロードできるようになった。

締めたところと緩めたところが同時に動いている。どちらも「審査でひっかかる原因を減らす」方向に揃っているのが今回のポイントだ。開発者が何を準備すべきか整理する。

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2026年5月12日

Steamの審査は今どれくらい待つのか?

現在の審査期間は最大12営業日だ。Valveが本来の目標としていたのは3〜5営業日なので、単純に倍以上に伸びている。

伸びた理由として挙げられているのは、審査申請数がこの数か月で大幅に増加したことと、再審査が必要なゲームが多いことだ。つまり純粋な件数増加だけでなく、1本あたりに2回・3回と手間がかかるケースが積み上がっている。

項目 状況
本来の目標 3〜5営業日
現在 最大12営業日
主な原因 審査申請の大幅増加/再審査が必要なゲームの多さ
発表日 2026年11月4日

この遅延は実際に影響を出している。ラーメン店経営シムのJapanese Ramen Simulatorは審査が通らず発売が延期となり、開発元のCEOは3週間以上前から審査に出していたと発言している。発売日を決めてから審査に出す、という段取りが成立しなくなりつつある。

リリースチェックリストに追加された項目は何か?

新しく追加されたのは5項目だ。いずれも「審査する側が確認できる状態になっているか」を開発者自身に先に確認させる内容になっている。

  1. Steam経由でゲームを5分以上実行していること(過去7日以内。最後のビルドが7日より前なら最終アップロード以降)
  2. 必要な共通再頒布可能パッケージ(DirectX・Visual C++など)の確認
  3. 実績が正しく設定されていること
  4. Steamクラウドセーブが正しく機能すること
  5. ゲームプレイのスクリーンショットを5枚以上用意し、カテゴリーを指定すること

どれも「言われてみれば当然」の内容だ。逆に言えば、この当然が守られていないビルドが審査に大量に流れ込んでいたということになる。再審査が多いという説明と完全に噛み合う。

なぜ5分間のプレイが必須になったのか?

Valveは「Steam上で一度もプレイされたことのないビルドをレビューすることがある」と説明している。これが5分ルールの直接的な理由だ。

開発者自身が一度も起動確認していないビルドが審査に出てくる。ローカルでは動いていてもSteam経由では起動しない、再頒布パッケージが足りない、クラウドセーブが機能しない——そういう初歩的な不具合を審査担当者が最初に踏む構図になっていた。

5分という数字の置き方も現実的だ。タイトル画面からゲーム本編に入って少し触る程度の時間で、「起動して遊べる」ことは確認できる。過去7日以内という条件が付いているので、古いビルドでの実績は使えない。

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スクリーンショットの規定はどう緩和されたのか?

コンセプトアートやゲーム内シネマティックのスクリーンショットも、正しいカテゴリを指定すればアップロードできるようになった。2016年に定められた「実際のスクリーンショット以外の掲載制限」からの緩和だ。

2016年のルールは、ストアページに実際のゲーム画面と無関係な画像を並べて購入者を誤認させる行為を防ぐためのものだった。その目的自体は今も有効だが、「カテゴリーを指定する」という仕組みを入れることで、誤認を防ぎつつ素材を使えるようにしたわけだ。

これはインディー開発者にとって素直にありがたい変更だと見ている。ゲーム内シネマティックのいいカットが使えないまま、地味な実プレイ画面だけでストアページを組む必要がなくなる。ただし条件は「ゲームプレイのスクリーンショットを5枚以上用意すること」なので、実プレイ画面の提出義務そのものは消えていない。

これは生成AI対策なのか?

直接的なAI対策ではない模様だ。今回のアップデートで示されているのは審査の渋滞と再審査の多さであり、生成AIへの言及が変更の理由として挙げられているわけではない。

ただし、周辺の数字を見るとこの変更が置かれている状況は見えてくる。Steam新作における生成AIの使用開示は、2026年10月時点で約半数の49.9%に達した。2024年1月の時点では1.7%だった。

時期 Steam新作の生成AI使用開示率
2024年1月 1.7%
2026年10月 49.9%

2年9か月で1.7%から49.9%。この伸びの中には、制作スピードが上がった結果として申請数そのものが増えた分も含まれているはずだ。5分間のプレイという要求が、結果的に「人が一度も起動していないもの」をふるい落とす機能を持つのは確かだろう。とはいえValveがそう明言していない以上、AI対策だと断定はできない。

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2026年5月13日

まとめ|5分プレイは必須、スクショは使える幅が広がった

Valveが2026年11月4日に公開したリリース前レビュープロセスのアップデートにより、Steamのリリースチェックリストに5項目が追加された。中心にあるのは、Steam経由でゲームを5分以上実行していること(過去7日以内)という条件だ。

残りの4項目は、共通再頒布可能パッケージの確認、実績の正しい設定、Steamクラウドセーブの動作確認、そしてゲームプレイのスクリーンショット5枚以上とカテゴリー指定。審査期間は本来の目標3〜5営業日に対して現在最大12営業日で、原因は申請数の大幅増加と再審査の多さとされている。

一方でスクリーンショット規定は緩和され、コンセプトアートやゲーム内シネマティックのスクリーンショットも正しいカテゴリ指定でアップロードできるようになった。発売日を先に告知してから審査に出すスケジュールはもう危険だ。12営業日を前提に逆算しておきたい。

SPOTGEEKS VERDICT

「自分のゲームを5分遊べ」という項目がチェックリストに必要になった、という事実そのものが今回の本質だ。審査の遅れを人員で吸収するのではなく、申請側の手間を増やして再審査を減らす設計に振った。スクショ規定の緩和を同時に出してきたあたり、締めるだけでは開発者が離れると分かっているのだろう。

発売日の告知は審査通過後に。12営業日の余白を見ておくのが2026年末の正解だ。

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WRITER
小田のっこ

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