Xboxの「リセット」がまた一段深く進んだ。マイクロソフトは2026年9月22日(現地時間)、Halo Studiosをはじめとする傘下スタジオとXbox Game Studios(XGS)の管理部門で合計268名の人員削減を発表した。7月に打ち出された3,200名規模の再編の「第2弾」にあたり、これで計画全体の約4分の3が完了する見込みだ。
数字以上に重いのは、組織の中身がごっそり入れ替わることだろう。次の『Halo』はHalo Studiosではなく、アクティビジョン内に新設される専任チームが開発する。レアとWorld’s Edgeもアクティビジョン傘下に入り、ObsidianはベセスダへPlayground GamesとTurn 10は統合。そして『Hellblade』のNinja Theoryは、売却交渉が2度流れた末に「閉鎖を前提とした従業員協議」に入る。
発表者はXboxのEVP兼チーフ・コンテンツ・オフィサー、マット・ブーティ氏だ。社内メモ「Continuing Our Reset(リセットの継続)」がXbox Wireで全文公開されており、ファミ通も同日に報じている。この記事では、削減の内訳・各スタジオの行き先・第1弾からの流れを一次情報ベースで整理していく。
Halo Studiosの縮小と聞いて、7月の『Halo: Campaign Evolved』を楽しみにしていたわたしとしては、正直ちょっと胸が痛い。感傷は後回しにして、まずは事実から確認しよう。
7月の第1弾がどういう内容だったかは、以前の記事にまとめてある。今回はその続きとして読んでほしい。
Xbox再編第2弾の規模は?268名削減と「4分の3完了」の意味
今回削減されるのは268名で、対象はHalo Studios、そのほかのファーストパーティスタジオ、そしてXGSの管理・中央機能部門だ。ブーティ氏のメモは「7月以降に完了した施策は、スタジオの売却分も含めて、先に発表した再編の約4分の3に達する」と明言している。7月1日時点で1,600名、その後1年で同数を削減するという計画の、いわば後半戦の山場が今回ということになる。
ポイントは「4分の3」という数え方に、売却・独立したスタジオの人員も含まれている点だ。CompulsionとDouble Fineは8月に独立を果たし、Undead Labsも独立スタジオとして移行を完了した。つまりマイクロソフトの給与台帳から外れた人数がまとめてカウントされており、純粋なレイオフだけで3,200名に迫っているわけではない。
とはいえ残り4分の1、単純計算で800名前後の削減が今後も控えている計算になる。2026年9月24日時点で次の削減時期は公表されていないが、メモの末尾では10月6日にタウンホール(全社説明会)を開くと予告されている。次の動きがあるとすれば、その前後だろう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年9月22日(現地時間) |
| 発表者 | マット・ブーティ氏(EVP兼チーフ・コンテンツ・オフィサー) |
| 削減人数 | 268名 |
| 対象 | Halo Studios・他ファーストパーティ・XGS管理/中央機能部門 |
| 進捗 | 7月発表の再編(3,200名規模)の約4分の3が完了 |
| 次の予定 | 10月6日にタウンホール開催 |
次のHaloは誰が作る?アクティビジョンの新チームが開発、Halo Studiosは小規模化
次期『Halo』はアクティビジョンが開発する。ただし『Call of Duty』のチームが片手間に作るわけではなく、CoDの現行開発や将来計画とは切り離した「専用に編成された新チーム」が担当するとメモは説明している。Halo Studiosには少人数のグループが残り、既存タイトルの運営とコミュニティのサポートを続ける体制だ。
Halo Studios(旧343 Industries)がHalo本編の開発から外れるのは、シリーズ史上初めての事態だ。Bungieから引き継いで『Halo 4』から今年7月の『Halo: Campaign Evolved』まで10年以上シリーズを背負ってきたスタジオであり、今回の268名削減で最も大きな影響を受けたと海外各紙は伝えている。『Campaign Evolved』や『Halo Infinite』の運営は残るチームが担うため即座に止まることはなさそうだが、更新ペースが落ちる可能性は否定できない。2026年9月24日時点で、次期Haloのタイトル・発売時期・対応機種はすべて未発表だ。
良い点は、CoDで年間リリースを回し続けてきたアクティビジョンの開発体力がHaloに注がれること。『Infinite』の延期やコンテンツ不足で叩かれ続けた歴史を思えば「体制を丸ごと変える」判断は理解できる。ただ、マスターチーフの物語をCoDの会社に預けるという事実に、長年のファンが複雑な気持ちになるのも当然だ。
スタジオ再編の全体像は?レア・World’s Edge・Obsidian・Playground+Turn 10の行き先
今回の再編で、Xboxのファーストパーティは「アクティビジョン」「ベセスダ」「King」の3つの大きな傘の下に整理された。XGSという中間管理層を薄くし、実績あるパブリッシャー組織に直接ぶら下げる形だ。各スタジオの新しい所属を表にまとめる。
| スタジオ | 新しい所属・処遇 | 継続タイトル |
|---|---|---|
| レア | アクティビジョン傘下へ | 『Sea of Thieves』 |
| World’s Edge | アクティビジョン傘下へ | 『Age of Empires』シリーズ |
| Halo Studios | 小規模化、既存タイトルのサポートに専念 | 『Halo Infinite』『Halo: Campaign Evolved』ほか |
| Obsidian Entertainment | ベセスダ・ソフトワークス傘下へ | 『Grounded』、Bethesda Game Studiosと共同のFallout新プロジェクト |
| Playground Games+Turn 10 | 1つのスタジオに統合 | 『Forza』『Fable』 |
| Microsoft Casual Games | King傘下へ | ソリティアなどカジュアル作品群 |
アクティビジョンのロブ・コスティッチ社長は「Halo、レア、World’s Edgeをアクティビジョンに迎えられて嬉しく思う」とコメントしている。CoDの会社がHaloと『Sea of Thieves』と『Age of Empires』を抱える構図は、買収完了時には誰も想像していなかったはずだ。買収した側が買収された側の組織に吸収されていく逆転現象が起きている。
Obsidianの行き先がベセスダなのは筋が通っている。『Fallout: New Vegas』のスタジオがBethesda Game Studiosと共同でFalloutの新プロジェクトを進めると明記されたのは、今回のメモでほぼ唯一の朗報だろう。『Grounded』も継続だ。PlaygroundとTurn 10の統合は『Forza Horizon』と『Forza Motorsport』が1つの屋根の下に収まることを意味するが、『Fable』の開発への影響については2026年9月24日時点で公式な言及はない。
Ninja Theoryはどうなる?売却交渉2度失敗で閉鎖協議入り、Arkaneは年末まで協議
Ninja Theoryは「閉鎖を前提とした従業員協議」に入る。メモによれば、7月の第1弾で売却対象とされて以降、2つの別々の売却合意が成立寸前まで進んだものの、いずれも破談になった。マイクロソフトは「他の道も引き続き探る」としつつ、英国の労働法に基づく閉鎖協議を開始する方針だ。
『Hellblade: Senua’s Sacrifice』『Senua’s Saga: Hellblade II』で知られる英ケンブリッジのスタジオが、2度も買い手を逃したという事実は重い。売却先が付かなかった理由は公表されていないが、Unreal Engine 5の最先端を走る高コスト体質のスタジオを、Game Pass抜きの単独採算で回せる買い手が見つからなかったと見るのが自然だろう。閉鎖が正式決定した場合、『Hellblade』IPの扱いも2026年9月24日時点で未発表だ。
Arkane Studios(リヨン)については、年末まで従業員との協議を続けるとメモは述べている。7月時点で「処遇について協議中」とされ、その後マイクロソフトが売却先を探しているとの報道が出ていたスタジオだ。Ninja Theoryのように破談で閉鎖に傾く展開だけは避けてほしいが、こちらも結論は年末以降に持ち越しになる。
今日、私たちが注力すべきは、影響を受ける仲間を支え、互いに思いやりと敬意をもって接することだ。(原文:Today, our focus should be on supporting those affected and treating one another with care and respect.)
引用元:Xbox Wire
メモの締めくくりは、7月のアシャ・シャルマCEOの声明とほぼ同じトーンだ。言葉としては誠実に聞こえるが、7月に「売却で存続を図る」と言われたNinja Theoryの従業員にしてみれば、2か月半後に閉鎖協議を切り出されたことになる。元ショップ店員として言わせてもらうと、こういうときに現場が一番欲しいのは「思いやり」より確定した情報だ、マジで。
第1弾(7月)から第2弾(9月)までの流れは?時系列で整理
今回の第2弾は、7月の第1弾で「協議中」「売却予定」とされた項目に順次答えを出していく形になっている。2つの発表を並べると、Xboxがどこへ向かおうとしているかが見えてくる。
| 項目 | 第1弾(2026年7月) | 第2弾(2026年9月22日) |
|---|---|---|
| 削減人数 | 初日1,600名、年度内に計3,200名 | 268名(累計で約4分の3完了) |
| 主な対象 | プラットフォームチーム・事業運営部門 | Halo Studios・XGS管理部門 |
| Ninja Theory | 売却予定 | 売却2度破談、閉鎖協議入り |
| Undead Labs | 売却予定 | 独立完了、『State of Decay 3』はGame Pass初日配信 |
| Double Fine/Compulsion | 再独立予定 | 8月に独立完了 |
| Arkane Studios | 処遇協議中 | 年末まで協議継続 |
| Halo | 言及なし | 次作はアクティビジョンの新チームが開発 |
| スタジオ統廃合 | 言及なし | レア・World’s Edge→アクティビジョン、Obsidian→ベセスダ、Playground+Turn 10統合、Casual Games→King |
第1弾が「人数と赤字構造」の話だったのに対し、第2弾は「組織図を書き換える」話だ。7月の「1ドル投資して64セント損失」という数字を踏まえれば、XGSという中間層を畳んでアクティビジョン・ベセスダ・Kingという稼げる組織に直結させる今回の再編は、4月にアシャ・シャルマCEOが掲げた「We Are Xbox」の延長線上にある。
良い点は、進行中のタイトルが止まっていないこと。『State of Decay 3』のGame Pass初日配信、『Grounded』とFallout新作、『Forza』『Fable』の継続は明記されている。気になる点は、残り4分の1の削減が終わっていないこと、そしてNinja TheoryとArkaneという作家性の強いスタジオから順に切られる構図だ。効率化の先に残るラインナップがCoDとHaloとForzaとCandy Crushだけ、なんてことにはならないでほしい。
まとめ:Xbox再編第2弾は268名削減、次期Haloはアクティビジョンへ、Ninja Theoryは閉鎖協議入り
2026年9月22日、Xboxは再編の第2弾として268名の削減を発表した。Halo Studiosと他のファーストパーティ、XGSの管理部門が対象で、7月に発表された3,200名規模の再編は約4分の3が完了した。次期『Halo』はアクティビジョン内の専任新チームが開発し、Halo Studiosは小規模化して既存タイトルのサポートに専念する。
レアとWorld’s Edgeはアクティビジョン傘下、Obsidianはベセスダ傘下、PlaygroundとTurn 10は1スタジオに統合、Microsoft Casual GamesはKing傘下へ移る。Ninja Theoryは売却交渉が2度破談となり閉鎖を前提とした協議に入り、Arkaneは年末まで協議が続く。次期Haloの発売時期・対応機種、Ninja Theory閉鎖の最終判断は、2026年9月24日時点でいずれも未発表だ。
次の節目は10月6日のタウンホール。残り4分の1の削減と、Arkaneの結論がいつ出るのか。続報が入り次第、この記事シリーズで追っていく。
第2弾の本質は「268名」という数字ではなく、XGSという中間層を畳んでアクティビジョン・ベセスダ・Kingに直結させた組織図の書き換えだ。Haloを343の系譜から切り離してCoDの会社に預けた判断は、Xboxがブランドの歴史より開発体力を優先したことを意味する。Obsidian×ベセスダのFallout新作は数少ない朗報だが、Ninja Theoryの閉鎖協議入りとArkaneの先送りは、作家性の強いスタジオから順に削られていく現実を突きつけている。
効率化で残るXboxが「売れるIPの工場」だけにならないか。10月6日のタウンホールが次の分岐点だ。
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