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グラスホッパー・マニファクチュアが、2026年10月1日付でNetEase Gamesの傘下から独立した。発表は9月30日。須田剛一が代表取締役社長を務める体制はそのままで、資本だけが外れたかたちだ。
「売られた」のではない。「出ていった」のだ。ここが今回いちばん大事なところだ。須田剛一は独立の理由を「より様々なスタイルのタイトルをビデオゲームを愛する皆様にお届けしたい」という思いが湧き上がったからだと説明している。NetEaseとの話し合いは十分に行われ、多大な協力を得たうえでの結論だという。
グラスホッパーは1998年3月30日創立、東京都文京区後楽に本社を置く従業員40名の開発会社だ。『killer7』『シルバー事件』『ノーモア★ヒーローズ』、そして2026年2月11日発売の『ROMEO IS A DEAD MAN』——ずっと「他社がやらないこと」をやってきたスタジオが、また身軽になった。これは身構えるニュースじゃなく、わりと楽しみにしていいニュースだ。
ゲーム会社の資本異動なんて普通は読み飛ばすところだけど、これは中身が気持ちいい。順に見ていく。
グラスホッパー・マニファクチュアはいつ独立した?理由は何だ
グラスホッパー・マニファクチュアは2026年10月1日付でNetEase Games傘下から独立し、独立系の開発会社に戻った。発表自体は前日の9月30日に行われている。
理由は「作るものの幅を広げたいから」だ。須田剛一は、全社をあげたプロジェクトを完遂したことを受けて、もう一度デベロッパーとして独立する道を選んだと語っている。「変わらぬテイストとさらなる品質で、かつてないゲーム体験を提供する」という言い方もしていて、方向転換ではなく濃度を上げる宣言に読める。
資本が外れると普通は「大丈夫か」と心配される。でもグラスホッパーの場合は逆だ。親会社がついていた期間に自社パブリッシングのノウハウを積み、複数の選択肢を持てる体制になった。そのうえで自分の足で立つと決めた。順番が健全なのだ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 独立日 | 2026年10月1日付(発表は9月30日) |
| 代表者 | 須田剛一(代表取締役社長・継続) |
| 所在地 | 東京都文京区後楽1-4-14 |
| 創立 | 1998年3月30日 |
| 従業員数 | 40名 |
| NetEaseとの関係 | 円満離脱。今後も機会があれば相互に協力 |
役員の異動などの手続きは発表時点で進行中とされている。つまり社名も社長も拠点も変わらず、株主構成だけが変わる。開発中タイトルが消えるとか、チームが解散するとかいう話は一切出ていない。ここは安心していい。
NetEase傘下の約5年で何が変わったのか
グラスホッパーは2021年にガンホーグループを離れてNetEase Games傘下に入り、今回の独立までおよそ5年を過ごした。
この5年は「大手の金で好きなものを作る」期間だった、というのが結果から見た評価になる。NetEase傘下に入った当初から新作3本の開発に取り組む構えが示されていて、実際にオリジナルIPの新作が形になった。中国資本の傘下に入った日本のスタジオがIPを吸い取られて終わる、という最悪のパターンには落ちなかったわけだ。
そして離脱のしかたも綺麗だ。両者は「機会あれば相互の協力を惜しまず良好な関係を大切にしてまいります」としている。契約が切れて放り出されたのではなく、話し合って抜けた。この手のニュースでここまで後味が良いのは珍しい。
元オタクショップ店員として棚を見てきた立場から言うと、パブリッシャーが変わった瞬間にシリーズが止まるスタジオを何回も見てきた。だからこの「円満」の二文字はけっこう重い。
『ROMEO IS A DEAD MAN』が節目になった理由
独立の引き金になったのは、2026年2月11日に発売した『ROMEO IS A DEAD MAN』の完遂だ。
このタイトルは約5年ぶりの新規IPで、PC(Steam)・PS5・Xbox Series X|Sで展開された超暴力アクションだ。主人公ロミオはFBIの時空特別捜査官で、マルチバースをまたいで指名手配犯を追う。スチャダラパーの楽曲を使ったトレーラーが公開されたあたりで「ああ、完全にいつものグラスホッパーだ」と確信した人も多いはずだ。
全社をあげた1本を出し切った直後というのは、スタジオにとって次の体制を選べる唯一のタイミングでもある。開発途中で資本を動かせば作品に跳ね返るが、出し終えた直後なら誰も傷つかない。須田剛一は今後10年でさらに力のある作品を3本作るという目標も掲げていて、独立のタイミングはそこから逆算されたと見るのが自然だ。
ちなみに須田作品は人を選ぶ。合わない人には本当に合わない。わたしはDIOと吉良吉影が好きな人間なので、ああいう悪趣味の美学は全面的に歓迎する側だ。でも万人向けではないという事実は伏せない方がいい。
独立後はどうなる?自社パブリッシングという選択肢
独立後のグラスホッパーは、自社でパブリッシングする道と、他社に任せる道の両方を持つ。
これが今回いちばん実利のある変化だ。親会社がいる状態だと、作ったものは基本的にその親会社から出すことになる。選択肢が1本しかない。独立して自社パブリッシングのノウハウがあるなら、作品ごとに「これは自分で出す」「これは組んだ方が広く届く」と選べる。須田剛一が言う「より様々なスタイルのタイトル」は、たぶんこの選択肢の数の話だ。
一方で気になる点もはっきり書く。従業員40名のスタジオが自社でパブリッシングまで背負うのは、単純に重い。宣伝も販売もサポートも自分でやるとなれば、開発に回せる人数は減る。大作を連発できる規模ではない以上、今後は中規模のタイトルを丁寧に出していく形になる可能性が高い。『ROMEO IS A DEAD MAN』級の全社プロジェクトが毎年来ると期待するのは酷だろう。
それでも、グラスホッパーが「作りたいものを選べる会社」に戻ったこと自体に価値がある。尖った企画が通らなくて丸くなるスタジオを見るのが、いちばんつまらないのだ。
まとめ|グラスホッパー独立は不安より期待のニュースだ
要点を整理する。グラスホッパー・マニファクチュアは2026年10月1日付でNetEase Games傘下から独立した。発表は9月30日、代表は須田剛一のまま、所在地は東京都文京区後楽、従業員40名、創立1998年3月30日。離脱は十分な話し合いを経た円満なもので、両者は今後も機会があれば協力するとしている。
きっかけは2026年2月11日に発売した『ROMEO IS A DEAD MAN』の完遂で、須田剛一は今後10年で力のある作品を3本という目標を掲げている。NetEase傘下の約5年で自社パブリッシングのノウハウを積み、複数の選択肢を得たうえでの独立——順番が正しい独立だ。
資本が外れるニュースで素直に喜べるケースは少ない。だがグラスホッパーの場合、順番が完全に正しい。全社プロジェクトを出し切り、親会社の下でパブリッシングのノウハウを積み、選択肢を複数持った状態で「自分で選びたい」と言って出ていった。追い出されたのでも力尽きたのでもない。40名のスタジオが背負う荷物は確実に増えるので、次作までの間隔は長くなるはずだ。そこは覚悟しておきたい。
尖ったものを作る会社が、尖ったままでいられる選択をした。それだけで今日は十分だ。
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小田のっこ













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